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#64382
光明
ゲスト

インターネット連句
 本宝塚「雪螢」の巻
1月20日
 皆様、お待たせしました。
 花の連、残り二句というところで、花の句に10句もの投句がございました。そして、選んだのは遥夢さんの「花ふぶき別れゆくもの来るもの」です。自然の摂理である花咲き花散る、まさに「別れゆくもの来るもの」として描かれています。「雪」字が発句に用いられていますが、ここは「花ふぶき」の表記の柔らかさがむしろ好ましく、問題は無いと判断しました。

 花の連七句目となる挙句は、春の短句をお詠み下さい。季語は晩春か三春になります。

 「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。

 花の連七句目挙句の締切りを1月22日の20時とします。揮ってご投句ください。1月からは偶数日が締切となっています。最後の一句となりました。

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   本宝塚「雪螢」    2020.12.01起首
雪の連
  行く先を風に任せて雪蛍          芳(冬)  雪
   紫キャベツサラダ彩り         光明(冬)
  君笑めば凍てる心も溶くるらん      遥夢(冬恋)
   在宅ワーク募る逢ひたさ       炬燵猫(恋)
  センサーで手水オン・オフ初社      日和(新年)
   毬杖打ちの村は賑はひ       マリンバ(新年)
  笛太鼓東京音頭繰返し          晋山(雑)
星の連
   とんび輪を描く原つぱの上       秋草(雑)
  日焼した顔も晴れやかバイク旅     すみれ(夏)
   負けん気を出すラムネ早飲み       芳(夏)
  夏星のひとつ二人の星と決め       ゆき(夏恋) 星
   季の移ろひに歩み揃はず       メロン(恋)
  白無垢のお色直しはチマチョゴリ      芳(恋)
   済州島(チェジュ)の浜辺で探す貝殻 しをん(雑)
月の連
  携帯はもうすぐ電池切れさうで     すみれ(雑)
   蓑虫鳴けば猫の耳立ち         秋草(秋)
  ひたひたと帰山の僧の月を連れ      遊子(月)  月
   老舗秘伝の旨き鱲子(からすみ)   炬燵猫(秋)
  許されぬ恋語りたる素浄瑠璃       遥夢(恋)
   熱愛覚めて幕が下ろされ        ゆき(恋)
  坂道の彼方そびゆるビルがあり      揺子(雑)
花の連
   客足絶ゆる夜の居酒屋         晋山(雑)
  もう一度唇を当て投函す         ゆき(恋)
   偲ぶ思ひにいつかしら痩せ       秋草(恋)
  かりそめの妻のふりする遍路宿     炬燵猫(春恋)
   薄氷に乗る陽ざしざらざら       遊子(春)
  花ふぶき別れゆくもの来るもの      遥夢(花)  花
                        (春)

皆様の付句
蒼穹へうすくれなゐの花こぼれ     遊子(花)  花
*前句の「陽ざし」と「蒼穹」が、一体感が有り過ぎるように思います。

せせらぎにそろりと馴染む飛花落花   今日(花)  花
*「そろり」は動きなので、「飛花落花」に相応しいかどうでしょう。「せせらぎにいつしか馴染む飛花落花」と、時間として表現してみました。

花ふぶき別れゆくもの来るもの     遥夢(花)  花
*この句をいただきます。

いくたびも地球を廻れ花吹雪     しをん(花)  花
*思いはわかりますが、風情が飛んでしまいますね。絵本にはなるかも知れませんね。

花陰にごつこ遊びの弾む声      すみれ(花)  花
*ここは鬼ごっこでしょうね。「花陰」が効果的です。何やら鬼が潜んでいるような気がします。

千年の記憶を纏ひ花ふぶく      炬燵猫(花)  花
*「千年の記憶重たく花ふぶく」と、記憶に比重を置いてみましょうか。

咲き誇る古木に住まふ花の精       芳(花)  花
*花の季語として「花の精」が認められるのかどうか、些か心もとないものがあります。ここには「花」が存在していないようです。「咲き誇る花の古木に花の精」でしょうか。

戻れない故郷からの花便り       秋草(花)  花
*「戻れない」ことの重大さ以上に、故郷から届く「花便り」が大切なものに思えます。故郷と結びつけるものは唯一「花便り」だけなんですよね。

花の歌再度味はふ山家集        晋山(花)  花
*「花の歌」も花の季語にならないように思います。あくまでも「歌」が主体で「花」は従になるようですから。西行の歌集を重きを置いている事からも、ここでは「花」は詠まれていないと言えます。

花筏苔石を縫ひ列をなし        ゆき(花)  花
*花筏の流れるさまをリアルに詠まれました。「列をなす」でしょうね。