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インターネット連句
本宝塚「雪螢」の巻
1月20日
皆様、お待たせしました。
花の連、残り二句というところで、花の句に10句もの投句がございました。そして、選んだのは遥夢さんの「花ふぶき別れゆくもの来るもの」です。自然の摂理である花咲き花散る、まさに「別れゆくもの来るもの」として描かれています。「雪」字が発句に用いられていますが、ここは「花ふぶき」の表記の柔らかさがむしろ好ましく、問題は無いと判断しました。
花の連七句目となる挙句は、春の短句をお詠み下さい。季語は晩春か三春になります。
「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。
花の連七句目挙句の締切りを1月22日の20時とします。揮ってご投句ください。1月からは偶数日が締切となっています。最後の一句となりました。
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本宝塚「雪螢」 2020.12.01起首
雪の連
行く先を風に任せて雪蛍 芳(冬) 雪
紫キャベツサラダ彩り 光明(冬)
君笑めば凍てる心も溶くるらん 遥夢(冬恋)
在宅ワーク募る逢ひたさ 炬燵猫(恋)
センサーで手水オン・オフ初社 日和(新年)
毬杖打ちの村は賑はひ マリンバ(新年)
笛太鼓東京音頭繰返し 晋山(雑)
星の連
とんび輪を描く原つぱの上 秋草(雑)
日焼した顔も晴れやかバイク旅 すみれ(夏)
負けん気を出すラムネ早飲み 芳(夏)
夏星のひとつ二人の星と決め ゆき(夏恋) 星
季の移ろひに歩み揃はず メロン(恋)
白無垢のお色直しはチマチョゴリ 芳(恋)
済州島(チェジュ)の浜辺で探す貝殻 しをん(雑)
月の連
携帯はもうすぐ電池切れさうで すみれ(雑)
蓑虫鳴けば猫の耳立ち 秋草(秋)
ひたひたと帰山の僧の月を連れ 遊子(月) 月
老舗秘伝の旨き鱲子(からすみ) 炬燵猫(秋)
許されぬ恋語りたる素浄瑠璃 遥夢(恋)
熱愛覚めて幕が下ろされ ゆき(恋)
坂道の彼方そびゆるビルがあり 揺子(雑)
花の連
客足絶ゆる夜の居酒屋 晋山(雑)
もう一度唇を当て投函す ゆき(恋)
偲ぶ思ひにいつかしら痩せ 秋草(恋)
かりそめの妻のふりする遍路宿 炬燵猫(春恋)
薄氷に乗る陽ざしざらざら 遊子(春)
花ふぶき別れゆくもの来るもの 遥夢(花) 花
(春)
皆様の付句
蒼穹へうすくれなゐの花こぼれ 遊子(花) 花
*前句の「陽ざし」と「蒼穹」が、一体感が有り過ぎるように思います。
せせらぎにそろりと馴染む飛花落花 今日(花) 花
*「そろり」は動きなので、「飛花落花」に相応しいかどうでしょう。「せせらぎにいつしか馴染む飛花落花」と、時間として表現してみました。
花ふぶき別れゆくもの来るもの 遥夢(花) 花
*この句をいただきます。
いくたびも地球を廻れ花吹雪 しをん(花) 花
*思いはわかりますが、風情が飛んでしまいますね。絵本にはなるかも知れませんね。
花陰にごつこ遊びの弾む声 すみれ(花) 花
*ここは鬼ごっこでしょうね。「花陰」が効果的です。何やら鬼が潜んでいるような気がします。
千年の記憶を纏ひ花ふぶく 炬燵猫(花) 花
*「千年の記憶重たく花ふぶく」と、記憶に比重を置いてみましょうか。
咲き誇る古木に住まふ花の精 芳(花) 花
*花の季語として「花の精」が認められるのかどうか、些か心もとないものがあります。ここには「花」が存在していないようです。「咲き誇る花の古木に花の精」でしょうか。
戻れない故郷からの花便り 秋草(花) 花
*「戻れない」ことの重大さ以上に、故郷から届く「花便り」が大切なものに思えます。故郷と結びつけるものは唯一「花便り」だけなんですよね。
花の歌再度味はふ山家集 晋山(花) 花
*「花の歌」も花の季語にならないように思います。あくまでも「歌」が主体で「花」は従になるようですから。西行の歌集を重きを置いている事からも、ここでは「花」は詠まれていないと言えます。
花筏苔石を縫ひ列をなし ゆき(花) 花
*花筏の流れるさまをリアルに詠まれました。「列をなす」でしょうね。