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#66516
光明
ゲスト

インターネット連句
 伊予の湯桁「琴の会」の巻
5月4日
 お待たせしました。伊予の湯桁「琴の会」のスタートです。
 「伊予の湯桁」形式は芭蕉の高弟である其角が最初に興行、つまり創案した形式です、別所真紀子氏の記するところによると、「伊予の湯桁」は宝永二年の朝曳編『浪の手集』にあるもので、「スベテ三十三アリ唯多キコトヲ云ルニヤ是ヲ号トス」と前書があって発句は雑の句だそうです。
 この「三十三」が句数を意味しており、この数字の根拠としては源氏物語にも所縁があるようで、その注釈書のひとつである一条兼良の『花鳥余情』の中で、「六花集に古歌とていだせり」と指摘する歌に「伊予の湯の湯桁の数は左八つ右は九つ中は十六」というのがあり、そこに伊予の湯桁の数が三十三であったと歌われており、其角はこの数に目を付けて、俳諧の形式に取り入れたものと思われます。
 別所さん主宰の連句誌「解纜」掲載の伊予の湯桁作品は、古歌に因んで表八句、中十六、裏九句の合計三十三句形式で巻かれています。
 今回の興行に於いてもこの句数と、二花・二月の配置に倣って進めて参ります。
 そこで下記の通り応募された、十句の候補句の中から選ばれた発句はメロンさんの「初袷たをやかに座す琴の会」です。これに「風の調べに揺るる葉桜」と付けさせていただきました。初夏における琴の演奏会の凛とした雰囲気に、このコロナ禍の混濁の事態を些かでも払拭できればいいなと思い、採ったという次第です。

 それでは、次の表三句目も夏の句を仮名留めで、第三の留を守ってお詠み下さい。
 なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
 次の第三、夏の句の締切りを6日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   伊予の湯桁「琴の会」   2021.05.04起首

表 初袷たをやかに座す琴の会     メロン(夏)
   風の調べに揺るる葉桜       光明(夏)
                      (夏)
                      (雑)
                      (雑)
                      (雑)
                      (月)
                      (秋)
中                     (秋)

皆様の発句の紹介
*夏始選ぶマニキュア新色よ      縁糸(初夏)
  囲む若葉と共に補ひ        光明(初夏)

*菜殻火や老若男女手を繋ぎ      今日(初夏)
  母郷の便り読めば夏めく      光明(初夏)

*初袷たをやかに座す琴の会     メロン(初夏)
  風の調べに揺れる葉桜       光明(初夏)
 この句をいただきました。
*新緑や音楽室の笛の音         芳(初夏)
  重五祝ふは女子も男子も      光明(初夏)

*麦秋に風の調べはメゾフォルテ    秋草(初夏)
  刻むキャベツは残りひと玉     光明(初夏)

*衣更ふ気付かぬままに巡る季(とき) 揺子(初夏)
  食事の色を決める豆飯       光明(初夏)

*新馬鈴薯の自己主張するハムサラダ  遊子(初夏)
  白米少し混じる麦飯        光明(初夏)

*海風や光る甍の夏来る        遥夢(初夏)
  幟竿立つ歴年の庭         光明(初夏)

*若き日や中也に挟む庭石菖     炬燵猫(初夏)
  女優志望も麦秋に消ゆ       光明(初夏)

*樟若葉路面電車は風の中       ゆき(初夏)
  清和に立つは元勲の像       光明(初夏)