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インターネット連句
伊予の湯桁「琴の会」の巻
5月4日
お待たせしました。伊予の湯桁「琴の会」のスタートです。
「伊予の湯桁」形式は芭蕉の高弟である其角が最初に興行、つまり創案した形式です、別所真紀子氏の記するところによると、「伊予の湯桁」は宝永二年の朝曳編『浪の手集』にあるもので、「スベテ三十三アリ唯多キコトヲ云ルニヤ是ヲ号トス」と前書があって発句は雑の句だそうです。
この「三十三」が句数を意味しており、この数字の根拠としては源氏物語にも所縁があるようで、その注釈書のひとつである一条兼良の『花鳥余情』の中で、「六花集に古歌とていだせり」と指摘する歌に「伊予の湯の湯桁の数は左八つ右は九つ中は十六」というのがあり、そこに伊予の湯桁の数が三十三であったと歌われており、其角はこの数に目を付けて、俳諧の形式に取り入れたものと思われます。
別所さん主宰の連句誌「解纜」掲載の伊予の湯桁作品は、古歌に因んで表八句、中十六、裏九句の合計三十三句形式で巻かれています。
今回の興行に於いてもこの句数と、二花・二月の配置に倣って進めて参ります。
そこで下記の通り応募された、十句の候補句の中から選ばれた発句はメロンさんの「初袷たをやかに座す琴の会」です。これに「風の調べに揺るる葉桜」と付けさせていただきました。初夏における琴の演奏会の凛とした雰囲気に、このコロナ禍の混濁の事態を些かでも払拭できればいいなと思い、採ったという次第です。
それでは、次の表三句目も夏の句を仮名留めで、第三の留を守ってお詠み下さい。
なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
次の第三、夏の句の締切りを6日の20時とします。揮ってご投句ください。
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伊予の湯桁「琴の会」 2021.05.04起首
表 初袷たをやかに座す琴の会 メロン(夏)
風の調べに揺るる葉桜 光明(夏)
(夏)
(雑)
(雑)
(雑)
(月)
(秋)
中 (秋)
皆様の発句の紹介
*夏始選ぶマニキュア新色よ 縁糸(初夏)
囲む若葉と共に補ひ 光明(初夏)
*菜殻火や老若男女手を繋ぎ 今日(初夏)
母郷の便り読めば夏めく 光明(初夏)
*初袷たをやかに座す琴の会 メロン(初夏)
風の調べに揺れる葉桜 光明(初夏)
この句をいただきました。
*新緑や音楽室の笛の音 芳(初夏)
重五祝ふは女子も男子も 光明(初夏)
*麦秋に風の調べはメゾフォルテ 秋草(初夏)
刻むキャベツは残りひと玉 光明(初夏)
*衣更ふ気付かぬままに巡る季(とき) 揺子(初夏)
食事の色を決める豆飯 光明(初夏)
*新馬鈴薯の自己主張するハムサラダ 遊子(初夏)
白米少し混じる麦飯 光明(初夏)
*海風や光る甍の夏来る 遥夢(初夏)
幟竿立つ歴年の庭 光明(初夏)
*若き日や中也に挟む庭石菖 炬燵猫(初夏)
女優志望も麦秋に消ゆ 光明(初夏)
*樟若葉路面電車は風の中 ゆき(初夏)
清和に立つは元勲の像 光明(初夏)