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インターネット連句
伊予の湯桁「琴の会」の巻
5月8日
お待たせしました。改めての説明になりますが、其角の巻いた伊予の湯桁作品の前書きに置かれているのが、古歌「伊予の湯の湯桁の数は左八つ右は九つ中は十六」です。
そして、その作品では其角の独創性の表れとも言える新形式の提案として、表・中・裏の表記を左・中・右とすることを実践しているのです。その其角の意図を大切にするためにこの巻も左八句・中十六句・右九句として、進めて行こうと思います。
さて左四句目です。十七季には「四句目は内容的にも軽い句が好いと言われ~昔の出来事や古典からの引用などは避ける」と書かれています。これを四句目振り(しくめぶり)とも言います。そのような視点から目についた句が、炬燵猫さんの「仕事帰りにフィットネスジム」で、「ジム通い」を詠んだだけの、まさに軽い句と言えるこの句を採りました。
次の左五句目は雑の句をお詠み下さい。
なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
左五句目の締切りを10日の20時とします。揮ってご投句ください。
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伊予の湯桁「琴の会」 2021.05.04起首
左 初袷たをやかに座す琴の会 メロン(夏)
風の調べに揺るる葉桜 光明(夏)
夏燕空を自在に遊ぶらん 遥夢(夏)
仕事帰りにフィットネスジム 炬燵猫(雑)
(雑)
(雑)
(月)
(秋)
中 (秋)
皆様の付句
リモート飲みで夜もふけるかな 縁糸(雑)
*コロナ下の世俗を詠んだ時事句と言えますね。背後に災厄を背負った句は、ここの表ではまだ早いですね。それと「かな」留めは切れ字と言い、平句では基本的に用いません。
雲水提げる空の魚籠にて 甚碌(雑)
*「雲水が空っぽのビクを提げてきた」が句意でしょうが、「雲水」は行脚僧や修行僧を意味しますので、表で嫌う釈教に該当します。つまりこの位置では相応しくないということになります。
小川の水も飲みたからふに 今日(雑)
*主語を前句置いているので、一句として立たないというところが気になりました。
表彰式の慣れぬ礼服 ゆき(雑)
*ここは「表彰式」に拘ることなく、礼服の主を浮かび上がらせた方がよいと思います。そうしないと読みが深まらないですね。
掘り出し物の古書を見つける 芳(雑)
*古書店好きにとっては取りたくなる句です。「掘り出し物」の中身を匂わせる工夫があればいいなと思いました。「探し続けた古書を見つけて」とか。
一筆書きの鉄路完成 遥夢(雑)
*鉄道路線を重複せずに、一筆書きで乗り通すということがありますね。その計画案といえるものでしょうか。前句の「自在」に対応した上手い付けだと思います。
仕事帰りにフィットネスジム 炬燵猫(雑)
*この句をいただきます。
日々の脳トレクロスワードで 秋草(雑)
*連句脳を鍛えるのにもクロスワードは適していると思います。今日の朝日新聞にも大きく載っていました。その惹句が「連休明けに向けてアタマを活性化させるため、クロスワードパズルに挑戦してみませんか?」でした。
湧き水清くきりりのどごし 揺子(雑)
*「湧き水清く」が夏の季語「清水」に近く感じられ、つまり夏の季感を引き摺った句になっています。夏が三句続いたあとの雑の句なので、ここは夏を完全払拭した句が求められます。
広場に子等は嬉々と戯れ メロン(雑)
*空には燕、地には子供等が戯れるというのは、やや付き過ぎの感あり。
二人子乗せて自転車を漕ぐ しをん(雑)
*推敲すれば「二人の子乗せ自転車を漕ぐ」か、あるいは「前後に子乗せ自転車を漕ぐ」でしょうか。