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インターネット連句
伊予の湯桁「琴の会」の巻
5月12日
お待たせしました。左六句目の雑の短句です。月の句に制限を掛けないよう、あっさりと軽く付ける月前の句に 10句が寄せられました。
前前句「仕事帰り」、前句「ジャムを購う」と人事の句が続いたので、ここは含みが無くて考えさせない景の句がいいのではないでしょうか。そこで、芳さんの乗物と町並みを詠んだだけの、「路面電車が見せる町並み」を採りました。月の句も付けやすいと思います。
次の左七句目は月の句をお詠み下さい。
単に月の句と言われるのは、秋の月のことです。それ以外は夏月とか冬月というように指示されます。
基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
左七句目の締切りを14日の20時とします。揮ってご投句ください。
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伊予の湯桁「琴の会」 2021.05.04起首
左 初袷たをやかに座す琴の会 メロン(夏)
風の調べに揺るる葉桜 光明(夏)
夏燕空を自在に遊ぶらん 遥夢(夏)
仕事帰りにフィットネスジム 炬燵猫(雑)
金色の手作りジャムを購うて 秋草(雑)
路面電車が見せる町並み 芳(雑)
(月)
(秋)
中 (秋)
皆様の付句
捻りだしたる落語三題 今日(雑)
*発句に琴の演奏会が詠まれていますので、同じ折の中で落語の高座は遊芸の差合いになりますね。
猫の眼キラリにゃーと鳴く夜 縁糸(雑)
*次が月の座なので先に夜にしてしまっては、いつ、どんな月を出すかという発想に、事前に制約を掛ける恐れがあるので、お勧めできません。
路面電車が見せる町並み 芳(雑)
*この句をいただきます。
蒔絵の箱に秘めし古文書 遥夢(雑)
*左八句を表八句と同じように思えば、表での謂れありげな古文書は出すのを惜しむべきだと思います。折が変わってからの方が相応しいですね。
新刊絵本匂ふ小机 遊子(雑)
*この句では机の上の新刊本が匂うということですが、娘が幼かったとき本屋さんに連れて行くと、必ず尿意を催し、間に合わない時にはお漏らしをしていました。本の匂いのなせる悪戯だと、私は思っています。そんなことを思ってこの句を読むと、面白いのではないでしょうか。
道の駅にて交す挨拶 しをん(雑)
*私は「道の駅」が好きです。ドライブの途中にあれば必ず寄ります。店内の様子には土地柄も反映され、それぞれ個性的な品揃えがされており、それを見るのが楽しみです。この句では常連、あるいは顔見知り同士の、軽い挨拶が詠まれましたね。
目を細め読むカストリ雑誌 揺子(雑)
*「カストリ雑誌」とは戦後しばらく、日本で乱立発行されたエロ・グロ・ナンセンスを内容とした粗悪な雑誌の事です。三合飲めば酔いつぶれるカストリ焼酎を語源に、たった三号でつぶれる雑誌のことを皮肉った名称ですね。この句の光景が目に浮かびます。
山野草で作る苔玉 秋草(雑)
*一字足らないのでは。「山野草得て作る苔玉」としましょうか。でも「作」字が前句に既出でした。
ロボット犬に癒される母 炬燵猫(雑)
*「癒される」はよく用いられるので、「ロボット犬と同居する母」と、現実の可笑しみを描いてみましょうか。
海へつながる坂道の町 日和(雑)
*私が生まれ育った街、神戸を想いました。前句のお洒落な「金色のジャム」にとても合いますね。