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インターネット連句
伊予の湯桁「琴の会」の巻
5月18日
お待たせしました。中一句目も秋の句です。その句が11句寄せられました。
その中から、芳さんの「地芝居の台詞合はせは白熱し」を採りました。的確
な描写によって、光景が目に浮かびあがり、納得させられます。中十六句の
折立の句としても牽引力を感じます。
中二句目は雑の短句をお詠み下さい。
基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
中二句目の締切りを20日の20時とします。揮ってご投句ください。
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伊予の湯桁「琴の会」 2021.05.04起首
左 初袷たをやかに座す琴の会 メロン(夏)
風の調べに揺るる葉桜 光明(夏)
夏燕空を自在に遊ぶらん 遥夢(夏)
仕事帰りにフィットネスジム 炬燵猫(雑)
金色の手作りジャムを購うて 秋草(雑)
路面電車が見せる町並み 芳(雑)
月中天魚も眠る水族館 ゆき(月)
お独りさまの集ひ夜長に しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し 芳(秋)
(雑)
(恋)
(恋)
(恋)
(冬)
(冬月)
(冬)
(雑)
(新年)
(新年花)
皆様の付句
七夕に短冊売りの声高く 縁糸(秋)
*季語「七夕」よりも短冊売りが主になっているのは、いかがなものでしょう。俳句ならば「七夕や短冊売りの声高く」と、切れ字「や」を付ければ、上句で切れるので、「七夕」にすべてが包含されるので成立するのですが。
菊枕深き眠りに誘へる メロン(秋)
*残念ですが、「眠り」が打越にありました。
鳥はしやぐ刈田に気魂流離うて 甚碌(秋)
*誰の「気魂」か不明なために、句の読みが深まらないですね。
雲水の旅も果てなむ末枯るる ゆき(秋)
*旅の寂寥感が詠まれていますが、釈教でもあり、中に入っての一句目には惜しみたい句ですね。
高層のワンルームにも野菊活け 遥夢(秋)
*「ワンルーム」に「野菊」だと、ああそうですか、で済んでしまいますが、ここは「高層」に意味を持たせた読みが求められるんですね。
地芝居の台詞合はせは白熱し 芳(秋)
*目に浮かびますね。納得させられます。この句をいただきます。
銀杏散るそのひとひらを栞とし 秋草(秋)
*脇句の「葉桜」と、この「銀杏散る」はもっと離したいですね。
トルコ産オリーブの実の香り立つ 日和(秋)
*さりげない句で採りたくなりますが、「オリーブの実」と左五句目の「手作りジャム」が、農産物の括りに入ってしまう気がします。
百号のキャンバス立てて新酒酌む 炬燵猫(秋)
*言葉足らずの感じがします。画家が成すべきことを為す前に、まず新酒を呑んだということの、意味が読み取れないのが残念。「百号の画布にたぢろぎ新酒酌む」とすれば、画家が浮かび上がるかも。
チャップリンの散歩道てふななかまど しをん(秋)
*「チャップリン」にやや唐突感があります。「散歩道」と「ななかまど」の取り合わせにしても、お互いに響き合うものがあるのかが、大切だと思います。ここでは単に並べているだけのようです。
屋根裏に茜蜻蛉の迷ひ込み 今日(秋)
*「屋根裏」とは、屋根裏部屋なのか、天井裏なのか、判断が迷いますね。そこに蜻蛉が迷い込むという、リアルさをもうひとつ感じさせてくれないんですよね。レポートをしているだけという感じです。「赤蜻蛉屋根裏部屋を出入りし」とすれば、納得できるかも。