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#67271
光明
ゲスト

インターネット連句
 伊予の湯桁「琴の会」の巻
6月4日
 お待たせしました。中九句目は中間の折り返しになる雑の句に、10句お寄せいただきました。序破急の「破」の連のまさに山場の句とも言えますが、ここは捌きに対する後半への戒めにもなる、「詰将棋」を取り入れた、日和さんの句「定跡を踏まえた上の詰将棋」を採りました。因みに将棋は「定跡」で、囲碁は「定石」と書き、それぞれ指し方、打ち方のきまった形を示しています。

 中一〇句目は新年の短句をお詠み下さい。

 基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。

 中一〇句目の締切りを6日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   伊予の湯桁「琴の会」   2021.05.04起首

左 初袷たをやかに座す琴の会      メロン(夏)
   風の調べに揺るる葉桜        光明(夏)
  夏燕空を自在に遊ぶらん        遥夢(夏)
   仕事帰りにフィットネスジム    炬燵猫(雑)
  金色の手作りジャムを購うて      秋草(雑)
   路面電車が見せる町並み        芳(雑)
  月中天魚も眠る水族館         ゆき(月)
   お独りさまの集ひ夜長に      しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し       芳(秋)
   のそりと歩く若冲の象       炬燵猫(雑)
  ほの一字背(そびら)になぞり頬を染め 今日(恋)
   疑惑の後妻じつは世話焼き      日和(恋)
  媾曳の浜辺に寄せる黒い波       遊子(恋)
   寝酒の友に誘ふあやかし       秋草(冬)
  浄土にも有りや冬月ちちははよ    しをん(冬月)
   柚子湯の柚子をギュッと抱きしめ  炬燵猫(冬)
  定跡を踏まえた上の詰将棋       日和(雑)
                       (新年)
                       (新年花)
                       (雑)
                       (恋)
                       (恋)
                       (月)
                       (秋)
右                      (秋)

皆様の付句
病床の日々の回想旅の宿         遊子(雑)
*病体の句も必要ですが、「浄土」と打越になるのが気になりました。

おくるみに包まる赤子スヤスヤと     縁糸(雑)
*「子」字が既出なので「赤児」にしましょう。前句の「ギュッと抱きしめ」に上手く付いているのですが、打越に「父母」があるのが難ですね。

身篭りし飛石ひとつ二つ三つ       甚碌(雑)
*身ごもったことは分かりますが、後の飛石の意味と関連が分かりません。

壁越しに聞き惚れてゐる節回し      ゆき(雑)
*採りたくなった句ですが、折立の「地芝居の台詞」が気になりました。

デパートの駅弁祭り楽しみで       秋草(雑)
*遣り句としての転じの働きは出来ていますね。

しやぶしやぶの豚はやつぱり薩摩産     芳(雑)
*まだ冬季の季語にはなっていませんが、鍋料理なのでいずれはなるかも知れないですね。薩摩黒豚は美味しいです。とんかつもいけます。

来し方を煙に噎せつつひとり言      今日(雑)
*「湯煙に噎せ」ということなら、「柚子湯」に付いたままで、離れ方が弱いように思います。

思ひ出の鄙びた宿をまた訪はん      遥夢(雑)
*前句の「柚子湯」に対し、「鄙びた宿」が説明になっているように読めます。「思ひ出を辿りて訪ふは鄙の宿」だとどうでしょう。

定跡を踏まえた上の詰将棋        日和(雑)
*この句をいただきました。

歯も耳も目も悪くなり治療中      炬燵猫(雑)
*治療で治るのなら有難いことですが、加齢が原因なことが多いようです。現状維持への闘いの日々とも言えますね。もっと後半でも使える句です。