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インターネット連句
伊予の湯桁「琴の会」の巻
6月4日
お待たせしました。中九句目は中間の折り返しになる雑の句に、10句お寄せいただきました。序破急の「破」の連のまさに山場の句とも言えますが、ここは捌きに対する後半への戒めにもなる、「詰将棋」を取り入れた、日和さんの句「定跡を踏まえた上の詰将棋」を採りました。因みに将棋は「定跡」で、囲碁は「定石」と書き、それぞれ指し方、打ち方のきまった形を示しています。
中一〇句目は新年の短句をお詠み下さい。
基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
中一〇句目の締切りを6日の20時とします。揮ってご投句ください。
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伊予の湯桁「琴の会」 2021.05.04起首
左 初袷たをやかに座す琴の会 メロン(夏)
風の調べに揺るる葉桜 光明(夏)
夏燕空を自在に遊ぶらん 遥夢(夏)
仕事帰りにフィットネスジム 炬燵猫(雑)
金色の手作りジャムを購うて 秋草(雑)
路面電車が見せる町並み 芳(雑)
月中天魚も眠る水族館 ゆき(月)
お独りさまの集ひ夜長に しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し 芳(秋)
のそりと歩く若冲の象 炬燵猫(雑)
ほの一字背(そびら)になぞり頬を染め 今日(恋)
疑惑の後妻じつは世話焼き 日和(恋)
媾曳の浜辺に寄せる黒い波 遊子(恋)
寝酒の友に誘ふあやかし 秋草(冬)
浄土にも有りや冬月ちちははよ しをん(冬月)
柚子湯の柚子をギュッと抱きしめ 炬燵猫(冬)
定跡を踏まえた上の詰将棋 日和(雑)
(新年)
(新年花)
(雑)
(恋)
(恋)
(月)
(秋)
右 (秋)
皆様の付句
病床の日々の回想旅の宿 遊子(雑)
*病体の句も必要ですが、「浄土」と打越になるのが気になりました。
おくるみに包まる赤子スヤスヤと 縁糸(雑)
*「子」字が既出なので「赤児」にしましょう。前句の「ギュッと抱きしめ」に上手く付いているのですが、打越に「父母」があるのが難ですね。
身篭りし飛石ひとつ二つ三つ 甚碌(雑)
*身ごもったことは分かりますが、後の飛石の意味と関連が分かりません。
壁越しに聞き惚れてゐる節回し ゆき(雑)
*採りたくなった句ですが、折立の「地芝居の台詞」が気になりました。
デパートの駅弁祭り楽しみで 秋草(雑)
*遣り句としての転じの働きは出来ていますね。
しやぶしやぶの豚はやつぱり薩摩産 芳(雑)
*まだ冬季の季語にはなっていませんが、鍋料理なのでいずれはなるかも知れないですね。薩摩黒豚は美味しいです。とんかつもいけます。
来し方を煙に噎せつつひとり言 今日(雑)
*「湯煙に噎せ」ということなら、「柚子湯」に付いたままで、離れ方が弱いように思います。
思ひ出の鄙びた宿をまた訪はん 遥夢(雑)
*前句の「柚子湯」に対し、「鄙びた宿」が説明になっているように読めます。「思ひ出を辿りて訪ふは鄙の宿」だとどうでしょう。
定跡を踏まえた上の詰将棋 日和(雑)
*この句をいただきました。
歯も耳も目も悪くなり治療中 炬燵猫(雑)
*治療で治るのなら有難いことですが、加齢が原因なことが多いようです。現状維持への闘いの日々とも言えますね。もっと後半でも使える句です。