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#67623
光明
ゲスト

インターネット連句
 伊予の湯桁「琴の会」の巻
6月20日
 お待たせしました。右一句目も秋の句です。ということで、8句集まりました。気になったのが、カタカナ語です。半分の4句にカタカナ語が用いられていました。ここまで、直近の2句の長句に「キスマーク」「モダンジャズ」と、カタカナ語が採用されており、さらにここでカタカナ語を採れば、縞模様になりますので、それは避けたいなと思いました。
 そこで、採ったのが遥夢さんの句、「またたびを家苞にして父の旅」です。
文字表現は違いますが「ちち」は先の句で使われているため、本来は猫への土産なのだからと、猫自体を登場させて、「またたびを家苞にして猫の旅」に修正して採りました。
 今日さんから、中一五句目の「モダンジャズ流れる床屋月覗く」の句について、「流るる」ではいけませんか?、との問いかけがありました。当然文語体としてなら「流るる」になりますが、脇句に「揺るる」が用いられており、さらに私の考えでは、厳密に文語体に統一したいとは、表現のニュアンスを考えれば思えず、口語体との混淆使用を容認したほうが、表現の幅が広がるのではないだろうかという思いでいます。この句は「モダンジャズ」という現代的な語句との組み合わせになるので、「流れる」としたほうがマッチしていると感じました。

 右二句目は雑の短句を仮名留めでお詠み下さい。

 基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。
 同字を含んだ句が増えてきました。月・花以外は一語一会とします。

 右二句目の締切りを22日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   伊予の湯桁「琴の会」   2021.05.04起首

左 初袷たをやかに座す琴の会      メロン(夏)
   風の調べに揺るる葉桜        光明(夏)
  夏燕空を自在に遊ぶらん        遥夢(夏)
   仕事帰りにフィットネスジム    炬燵猫(雑)
  金色の手作りジャムを購うて      秋草(雑)
   路面電車が見せる町並み        芳(雑)
  月中天魚も眠る水族館         ゆき(月)
   お独りさまの集ひ夜長に      しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し       芳(秋)
   のそりと歩く若冲の象       炬燵猫(雑)
  ほの一字背(そびら)になぞり頬を染め 今日(恋)
   疑惑の後妻じつは世話焼き      日和(恋)
  媾曳の浜辺に寄せる黒い波       遊子(恋)
   寝酒の友に誘ふあやかし       秋草(冬)
  浄土にも有りや冬月ちちははよ    しをん(冬月)
   柚子湯の柚子をギュッと抱きしめ  炬燵猫(冬)
  定跡を踏まへた上の詰将棋       日和(雑)
   蓬莱飾る京の常宿          遊子(新年)
  花の春夢は果てなく膨らみぬ     メロン(新年花)
   全快近し主治医告げ来て       ゆき(雑)
  キスマーク嬉し恥づかし戻り道     遥夢(恋)
   太くて赤い糸を離さず        遊子(恋)
  モダンジャズ流れる床屋月覗く    炬燵猫(月)
   夕餉の膳に香る栗飯         ゆき(秋)
右 またたびを家苞にして猫の旅      遥夢(秋)
                       (雑)
                       (夏)
                       (夏)
                       (雑)
                       (春)
                       (花)
                       (春)
                       (雑)

皆様の付句
イワシ雲大量だなと漁師言ひ      縁糸(秋)
*面白い表現ですが、「鰯雲」は打越の「月」と天象の語句の観音開きの関係になるので、ここでは使えないですね。

誰よりもパパがのつてるバイ廻し   しをん(秋)
*先に「ちちはは」が詠まれているので、というわけでもないでしょうが、「パパがのつてる」との表現、子供目線の描写が現代性を感じさせます。

テスト前籠の鈴虫鳴きすぎる      甚碌(秋)
*残念ながら「鈴虫」は初秋の季語なので、前句の晩秋の後だと季戻りになるので相応しくないですね。

またたびを家苞にして父の旅      遥夢(秋)
*この句を、文字表現は違いますが「ちち」は使われているので、突飛ですが、「またたびを家苞にして猫の旅」としていただきました。

爽籟をゆうらり渡る熱気球       秋草(秋)
*「爽籟」は風そのものではなく、風の音を意味しますので、「熱気球」が「爽籟」を渡るという表現は成立しないと思います。

いつしかに紛れ込んだる赤秋津     今日(秋)
*「秋津・蜻蛉」を(アキツ)と読みますが、「赤」が付けば(アカアキツ)とは読まず、「赤蜻蛉」だけを(アカトンボ)と言い、「赤秋津」を(アカアキツ・アカトンボ)という言い方はしないようですね。さらに、前句の時にも述べましたが、「夏燕」「花の春」とあって「秋津」だと、四季の名が揃い過ぎるので、避けたい思いがあります。「いつしかに紛れ込んだる赤蜻蛉」としましょうか。

大路ゆく時代祭は静々と       炬燵猫(秋)
*「路」字が既出なのと、中一〇句目に「京」が出ているので、七句去りですが、私の感覚では前に戻るので「時代祭」は障りますね。

男装も女装もありてハロウィーン     芳(秋)
*打越に「床屋」があっての「男装・女装」という「装い」は、やや障る気もしますね。