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#67671
光明
ゲスト

インターネット連句
 伊予の湯桁「琴の会」の巻
6月22日
 お待たせしました。右二句目は雑の短句ということで、8句が集まりました。該当する各句のコメントにも書きましたが、前句の「猫の旅」に対する付き加減、または距離感が気になる句が幾つかありました。「またたび」に酔ってしまったのかも知れませんね。
 さて、ここは雑の句ということでもあり、「猫の旅」に対して軽く気分を変えてみるのも一興、句で言えば遣り句ということで、秋草さんの句「足引つかかるジーンズの穴」を、仮名留め希望なので、ファッションとしてわざとつくられることもある、「足引つかかる破れジーンズ」に修正して採りました。

 右三句目は夏の句を仮名留めでお詠み下さい。

 基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。
 同字を含んだ句が増えてきました。月・花以外は一語一会とします。

 右三句目の締切りを24日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   伊予の湯桁「琴の会」   2021.05.04起首

左 初袷たをやかに座す琴の会      メロン(夏)
   風の調べに揺るる葉桜        光明(夏)
  夏燕空を自在に遊ぶらん        遥夢(夏)
   仕事帰りにフィットネスジム    炬燵猫(雑)
  金色の手作りジャムを購うて      秋草(雑)
   路面電車が見せる町並み        芳(雑)
  月中天魚も眠る水族館         ゆき(月)
   お独りさまの集ひ夜長に      しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し       芳(秋)
   のそりと歩く若冲の象       炬燵猫(雑)
  ほの一字背(そびら)になぞり頬を染め 今日(恋)
   疑惑の後妻じつは世話焼き      日和(恋)
  媾曳の浜辺に寄せる黒い波       遊子(恋)
   寝酒の友に誘ふあやかし       秋草(冬)
  浄土にも有りや冬月ちちははよ    しをん(冬月)
   柚子湯の柚子をギュッと抱きしめ  炬燵猫(冬)
  定跡を踏まへた上の詰将棋       日和(雑)
   蓬莱飾る京の常宿          遊子(新年)
  花の春夢は果てなく膨らみぬ     メロン(新年花)
   全快近し主治医告げ来て       ゆき(雑)
  キスマーク嬉し恥づかし戻り道     遥夢(恋)
   太くて赤い糸を離さず        遊子(恋)
  モダンジャズ流れる床屋月覗く    炬燵猫(月)
   夕餉の膳に香る栗飯         ゆき(秋)
右 またたびを家苞にして猫の旅      遥夢(秋)
   足引つかかる破れジーンズ      秋草(雑)
                       (夏)
                       (夏)
                       (雑)
                       (春)
                       (花)
                       (春)
                       (雑)

皆様の付句
にやんともいへん大あくびやな     縁糸(雑)
*猫の口調による喋り言葉の句に挑戦されていますが、前句の「猫の旅」の状況説明だけで終わってしまいましたね。一般的に前句に対して付け句は、付かず離れずに付けられた句が好いとされています。この句の場合、前句を退屈な旅と捉えての「大あくび」は使えますが、「猫」に「にやん」と付ければ引き続き「猫」が登場してしまうので、「付かず」が果されていないことになります。

兄によく似た影を追ひかけ       甚碌(雑)
*猫の兄弟とも読めるので、良い付き加減の句だと思います。如何せん、離れていますが「ちちはは」があって、さらに「兄」だと、家族の括りの繰返しになる点が気になります。

薬草図鑑広げ楽しむ          ゆき(雑)
*「またたび」に「薬草図鑑」で対応すると、袋小路に入り込む感じがします。前句から離れるのには難儀させられますね。これが「乗物図鑑」なら、もう少し転じが働くと思います。

海図に載らぬ島の天気は       しをん(雑)
*「天気は」と説明の助詞にするよりは、「海図に載らぬ島の天気よ」と詠嘆の「よ」にした方が詩情を感じます。

酔へばまた出る小言煩く        遥夢(雑)
*この「酔へば」も、前句の「またたび」を受けての発想だと思いますが、下句で酒癖の悪い人物像を登場させることで、猫からの離脱、つまり転じがうまく行きました。

民を買収銭に飽かして         遊子(雑)
*この国の政治家も地に墜ちたものです。法務大臣が現金を配って買収工作を行うなんて、前代未聞です。それを時の政権が後押しをしていたと思われる高額な選挙資金の提供に、まったく開いた口が塞がりません。この句はそんな事柄を簡潔に詠まれた時事句になりました。前句の「またたび」が猫だけではなく人をも酔わせるという、効果的な付け合いになっています。

足引つかかるジーンズの穴       秋草(雑)
*仮名留めが希望なので、「足引つかかる破れジーンズ」としてこの句をいただきました。

巨人の肩に乗る事もあり        日和(雑)
*「巨人」も面白いのですが、前句の読みから考えて、やや唐突な感が無きにしも非ずという感じがします。