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#67703
光明
ゲスト

インターネット連句
 伊予の湯桁「琴の会」の巻
6月24日
 お待たせしました。右三句目は夏の句をお願いしましたところ、7句お寄せいただきました。その内には、実際の梅雨時を詠んだ天象の句が3句ありました。
 そして、採ったのが芳さんの「梅雨晴の物干し竿は満員に」の句です。物干し竿の洗濯物を擬人化したことにより、洗濯物の量から家族構成をも想像させ、梅雨の晴れ間の有難さがよく伝わりました。

 右四句目も夏の短句をお詠み下さい。

 基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。月・花以外は一語一会とします。

 右四句目の締切りを26日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   伊予の湯桁「琴の会」   2021.05.04起首

左 初袷たをやかに座す琴の会      メロン(夏)
   風の調べに揺るる葉桜        光明(夏)
  夏燕空を自在に遊ぶらん        遥夢(夏)
   仕事帰りにフィットネスジム    炬燵猫(雑)
  金色の手作りジャムを購うて      秋草(雑)
   路面電車が見せる町並み        芳(雑)
  月中天魚も眠る水族館         ゆき(月)
   お独りさまの集ひ夜長に      しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し       芳(秋)
   のそりと歩く若冲の象       炬燵猫(雑)
  ほの一字背(そびら)になぞり頬を染め 今日(恋)
   疑惑の後妻じつは世話焼き      日和(恋)
  媾曳の浜辺に寄せる黒い波       遊子(恋)
   寝酒の友に誘ふあやかし       秋草(冬)
  浄土にも有りや冬月ちちははよ    しをん(冬月)
   柚子湯の柚子をギュッと抱きしめ  炬燵猫(冬)
  定跡を踏まへた上の詰将棋       日和(雑)
   蓬莱飾る京の常宿          遊子(新年)
  花の春夢は果てなく膨らみぬ     メロン(新年花)
   全快近し主治医告げ来て       ゆき(雑)
  キスマーク嬉し恥づかし戻り道     遥夢(恋)
   太くて赤い糸を離さず        遊子(恋)
  モダンジャズ流れる床屋月覗く    炬燵猫(月)
   夕餉の膳に香る栗飯         ゆき(秋)
右 またたびを家苞にして猫の旅      遥夢(秋)
   足引つかかる破れジーンズ      秋草(雑)
  梅雨晴の物干し竿は満員に        芳(夏)
                       (夏)
                       (雑)
                       (春)
                       (花)
                       (春)
                       (雑)

皆様の付句
似合つてるパパと一緒に夏祭り     縁糸(夏)
*「合」「一」字がそれぞれ既出でした。季語としては「夏祭」で送り仮名は付けません。それと「パパ」は中7句の「ちちはは」に戻るので、採れないですね。連句では同じ事柄や同じ内容の詞を繰り返さない、つまり後戻りしないということが鉄則になります。句を案じる時に常にその事を意識していただけたらと思います。

同級と水着になって海向かう      閑坐(夏)
*「水」字が既出でしたね。「海向かう」は「向かう海」が落ち着きます。ここは仮名留めでということで、「海向かう」にされたと思いますが、「海へ行く」が自然な表現ですね。

美少年吹く麦笛の拙さよ        甚碌(夏)
*「破れジーンズ」を誰に履かせるを、付け句のヒントにされた結果の「美少年」ですが、いいと思います。「麦笛」も適っていると思いますが、残念ながら4句前に音楽繋がりの差合いになる「モダンジャズ」がありました。

朝の雨青草刈れば匂ひたち       秋草(夏)
*はてさて雨に濡れた青草が匂い立つのかどうか、雨の匂いに負けてしまうような気もしますが。どうでしょう。

梅雨晴の物干し竿は満員に        芳(夏)
*この句をいただきました。

特殊詐欺うまく嵌めるも汗みどろ    遊子(夏)
*特殊詐欺に従事するのは若者が多いようで、人物像として「破れジーンズ」が似合うというイメージ、納得させられますね。「汗みどろ」にリアルさを覚えます。

噴煙を梅雨雷が貫きて        炬燵猫(夏)
*前句の「破れジーンズ」から、雷のギザギザ光という形象に結び付けたことに拍手を送りますが、「序破急」の「急」という終盤に「噴煙」は、やや唐突な感じが否めないですね。