返信先: インターネット連句を始めます。

ホーム フォーラム インターネット連句 Vol.1 インターネット連句を始めます。 返信先: インターネット連句を始めます。

#67747
光明
ゲスト

インターネット連句
 伊予の湯桁「琴の会」の巻
6月26日
 お待たせしました。右四句目は夏の短句をお願いしたところ、7句が集まりました。
 その中には「祭囃子」に共通するものが2句、「蝉の脱け殻」を詠んだものが2句ありました。想像すればいずれも前句の「物干竿」に干された「洗濯物」を祭の幟旗や、人体を伴なわない衣類を脱け殻と見立てた共通性があり、作者の句の付け所の良さを評価したいと思います。
 それ以外では、宇宙の始まりに起こったといわれる「ビッグ・バン」を詠んだ揺子さんの句、「ラムネ飲みつつ追ふビッグバン」の壮大さと「ラムネ」の清涼感に魅かれ、これを「追ふ」が分かりにくいので、「ラムネ飲みつつビッグバン思(も)ふ」と修正して採りました。

 右五句目は雑の句をお詠み下さい。

 基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。月・花以外は一語一会とします。

 右五句目の締切りを28日の20時とします。揮ってご投句ください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
   伊予の湯桁「琴の会」   2021.05.04起首

左 初袷たをやかに座す琴の会      メロン(夏)
   風の調べに揺るる葉桜        光明(夏)
  夏燕空を自在に遊ぶらん        遥夢(夏)
   仕事帰りにフィットネスジム    炬燵猫(雑)
  金色の手作りジャムを購うて      秋草(雑)
   路面電車が見せる町並み        芳(雑)
  月中天魚も眠る水族館         ゆき(月)
   お独りさまの集ひ夜長に      しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し       芳(秋)
   のそりと歩く若冲の象       炬燵猫(雑)
  ほの一字背(そびら)になぞり頬を染め 今日(恋)
   疑惑の後妻じつは世話焼き      日和(恋)
  媾曳の浜辺に寄せる黒い波       遊子(恋)
   寝酒の友に誘ふあやかし       秋草(冬)
  浄土にも有りや冬月ちちははよ    しをん(冬月)
   柚子湯の柚子をギュッと抱きしめ  炬燵猫(冬)
  定跡を踏まへた上の詰将棋       日和(雑)
   蓬莱飾る京の常宿          遊子(新年)
  花の春夢は果てなく膨らみぬ     メロン(新年花)
   全快近し主治医告げ来て       ゆき(雑)
  キスマーク嬉し恥づかし戻り道     遥夢(恋)
   太くて赤い糸を離さず        遊子(恋)
  モダンジャズ流れる床屋月覗く    炬燵猫(月)
   夕餉の膳に香る栗飯         ゆき(秋)
右 またたびを家苞にして猫の旅      遥夢(秋)
   足引つかかる破れジーンズ      秋草(雑)
  梅雨晴の物干し竿は満員に        芳(夏)
   ラムネ飲みつつビッグ・バン思ふ   揺子(夏)
                       (雑)
                       (春)
                       (花)
                       (春)
                       (雑)

皆様の付句
虹を見上げて揺れるハンモック     縁糸(夏)
*「見」「上」字が既出なのと、「虹」と「ハンモック」が共に夏の季語ということで、季語二つの季重なりになります。それと「ハンモック」は五音と数えますから字余りです。 「微睡みをればハンモック揺れ」とでもしましょうか。

祭太鼓が近づいてくる        しをん(夏)
*「近」字既出でした。この句意は「近づく」でないと発揮できないところが残念でした。

ラムネ飲みつつ追ふビッグバン     揺子(夏)
*この句、「ラムネ飲みつつビッグ・バン思(も)ふ」に修正していただきました。

泥を落として祝ふ早苗饗        ゆき(夏)
*前句の洗濯に「泥を落とす」が重なって、やや停滞感を覚えますね。

季の移り知る蝉の蛻(もぬけ)に    秋草(夏)
*干された洗濯物は「蝉の蛻」に通じるものがあります。ここは上下入れ替えて、「蝉の蛻(もぬけ)に季の移り知る」と、五二音を下句に置いた方が音律が整いますね。

祭囃子に心浮き立つ          遥夢(夏)
*しをんさんの句と同じく、洗濯物を幟旗に見立てた「祭囃子」は、うまい付句だと思います。

蝉の蛻がまろぶ坂道         炬燵猫(夏)
*「道」字が既出なので、「蝉の蛻がまろぶ急坂」としましょうか。