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インターネット連句
十三仏行「爆心地」の巻
８月２６日
三好龍肝氏が、この「十三仏行」を創案することで、解消を図った四つの矛盾（疑問）があります。それを紹介することで、この形式を興行する意義を理解していただけたらと思い、ここに記しておきます。
一、日本の自然を代表するものとして雪月花が言われ、連句でも月の座、花の
座が定められ大事とされているのに、雪が無いのは片手落ちである。
二、花は桜であり、されど桜は花に非ずとされ、花の定義が曖昧である。
三、月の句、花の句は長句で作るのが作法とされているのなら、一巻の締めく
くりとなる挙句も長句で詠むのが相応しいのではないのか。
四、芭蕉は恋句の無い連句は半端物と断じ、恋の句を一巻の重要な句とされて
いるのに、表で出すことが禁じられているのは、どのような根拠があるの
か疑問である。
以上の四点を、この「十三仏行」では取りこんで、実践するように促されています。
さて、四句目は雑の句です、９句が寄せられました。第三がパンダの赤ちゃんを詠んだ句ということで、それに添ったパンダ模様に関する「黒白」「五目並べ」「グッズ」「イラスト」の句と、親子の情愛を詠んだ「母は眠らず」が目立ちましたが、ここは炬燵猫さんの、それらとはワンクッションを置いた、「写真館にはおめかしをして」を採りました。発句・脇句・第三と続いてきた流れから、四句目は軽く転じ切る役目が求められており、この句はそれに応えていると思います。
次はオ五句目です。夏の恋句を長句でお詠み下さい。
なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
次のオ五句目の締切りを２８日の２０時とします。揮ってご投句ください。
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十三仏行「爆心地」 2021.08.15起首
表 人の世の遺恨ふたつの爆心地 光明（秋）
願ひの糸に結ぶ折り鶴 ゆき（秋）
望月夜幼きパンダ健やかに 遊子（月）
写真館にはおめかしをして 炬燵猫（雑）
（夏恋）
裏 （夏恋）
（雑）
（冬雪）
（冬月）
（雑）
（春）
（春）
挙句 （花）
皆様の付句
ジージバーバと愛し呼ぶ声 縁糸（雑）
＊ここは仮名留めを希望していました。「ジージバーバといつも呼び掛け」でしょうか。
カラメル甘しプリン掻き混ぜ 遊子（雑）
＊語調が整っていないのが気になります、カラメルの位置関係が明確でないからと思います、「プリン崩せば甘きカラメル」でしょうか。
黒白つけてぐつすり寝やう 今日（雑）
＊情感を工夫すれば句が生きると思います。
五目並べで負ける楽しさ ゆき（雑）
＊「オセロ」でもいいですね。白黒がよりはっきりしますね。
寝息確かめ母は眠らず 遥夢（雑）
＊すこし重たい句になりました。四句目に求められるのは軽く転じる句なんです。
当直日誌イラストを入れ 芳（雑）
＊パンダ飼育に寄り添い過ぎの感ありとも思え、微妙な距離感のある句になりました。病院の当直もありますからね。
写真館にはおめかしをして 炬燵猫（雑）
＊この句をいただきました。
商店街はグッズ揃へる 閑坐（雑）
＊「パンダ」という前句がなければ成立しない付けになっています。この句だけでも意味を成す作りが求められますね。「多様性あるグッズ揃へる」のように。
お子さまランチペア仕立で しをん（雑）
＊「お子さまランチばえる仕立で」とすれば今風ですね。