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#69143
光明
ゲスト

インターネット連句
 十三仏行「爆心地」の巻
9月5日
 ウ四句目は冬月を詠んでいただくことで、シチュエーションに工夫を凝らした9句が集まりました。
 そして、「雪月花」には「酒」も付き物ということで、芳さんの「立飲みの小銭並べて月冴ゆる」を、ここは小銭の感触に通じる、皮膚感覚の「凍つ」が適していると考え、「立飲みの小銭並べて月凍つる」に修正して採りました。

 次はウ五句目です。雑の短句を仮名留めでお詠みください。

 なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
 次のウ五句目の締切りを9月7日の20時とします。揮ってご投句ください。

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    十三仏行「爆心地」   2021.08.15起首

表  人の世の遺恨ふたつの爆心地     光明(秋)
    願ひの糸に結ぶ折り鶴       ゆき(秋)
   望月夜幼きパンダ健やかに      遊子(月)
    写真館にはおめかしをして    炬燵猫(雑)
   祭笛吹く横顔に惚れなほす      遥夢(夏恋)
裏   木下闇で熱く抱かれ        秋草(夏恋)
   嬉し泣きそつと搔き揚ぐ解れ髪    今日(恋)
    雪に鮮やか招き看板       しをん(冬雪)
   立飲みの小銭並べて月凍つる      芳(冬月)
                       (雑)
                       (春)
                       (春)
挙句                     (花)

皆様の付句
水墨の寒鴉と月を探し当て      遥夢(冬月)
*前句の「招き」に書かれたのは勘亭流の墨字なので、付けに「水墨」だと繰返しになりますね。

冴ゆる夜ムーンストーンに愛誓う   縁糸(冬恋)
*「月の石」つまり「月長石」のことでしょうか。「月の石」はアポロにより月面採取された石が、大阪万博の時にアメリカ館で展示されたものが知られています。

そぞろ来て五条橋詰月冴ゆる    しをん(冬月)
*四条の「南座」に上がった「招き」ということから、五条橋詰が思われたのでしょうが、交通の要所として広いばかりで、風情はいかがなものでしょう。

夜鳴きそば月中天の店仕舞ひ     ゆき(冬月)
*食いもののくは出ていなかったので、「夜鳴き蕎麦」はグッドタイミングですが、ここは酒を採りました。

都鳥塒へ去りて月蒼く        遊子(冬月)
*前句が、京の鴨川近くということから、「都鳥」も合いますね。

寒月に村の梵鐘陰々と        今日(冬月)
*前句が歌舞伎小屋の在る都会とすれば、ここで村を出すと、この句に曖昧感が生じるように思います。

浮かび出る半跏思惟像月冴えて    揺子(冬月)
*京都だと広隆寺の弥勒菩薩像が有名ですが、丁度十三仏形式だと裏四は弥勒菩薩に当たりますね。そこまで考えての作句、恐れ入ります。

立飲みの小銭並べて月冴ゆる      芳(冬月)
*この句をいただきますが、「立飲みの小銭並べて月凍つる」と、皮膚感覚にしましょう。

病室の凍てつく窓に月揺れて    炬燵猫(冬月)
*病体も有っていいのですが、このような短い形式の場合は楽しいままに行けるのなら、省いてもいいのではないかと思います。