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インターネット連句
十三仏行「爆心地」の巻
9月5日
ウ四句目は冬月を詠んでいただくことで、シチュエーションに工夫を凝らした9句が集まりました。
そして、「雪月花」には「酒」も付き物ということで、芳さんの「立飲みの小銭並べて月冴ゆる」を、ここは小銭の感触に通じる、皮膚感覚の「凍つ」が適していると考え、「立飲みの小銭並べて月凍つる」に修正して採りました。
次はウ五句目です。雑の短句を仮名留めでお詠みください。
なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
次のウ五句目の締切りを9月7日の20時とします。揮ってご投句ください。
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十三仏行「爆心地」 2021.08.15起首
表 人の世の遺恨ふたつの爆心地 光明(秋)
願ひの糸に結ぶ折り鶴 ゆき(秋)
望月夜幼きパンダ健やかに 遊子(月)
写真館にはおめかしをして 炬燵猫(雑)
祭笛吹く横顔に惚れなほす 遥夢(夏恋)
裏 木下闇で熱く抱かれ 秋草(夏恋)
嬉し泣きそつと搔き揚ぐ解れ髪 今日(恋)
雪に鮮やか招き看板 しをん(冬雪)
立飲みの小銭並べて月凍つる 芳(冬月)
(雑)
(春)
(春)
挙句 (花)
皆様の付句
水墨の寒鴉と月を探し当て 遥夢(冬月)
*前句の「招き」に書かれたのは勘亭流の墨字なので、付けに「水墨」だと繰返しになりますね。
冴ゆる夜ムーンストーンに愛誓う 縁糸(冬恋)
*「月の石」つまり「月長石」のことでしょうか。「月の石」はアポロにより月面採取された石が、大阪万博の時にアメリカ館で展示されたものが知られています。
そぞろ来て五条橋詰月冴ゆる しをん(冬月)
*四条の「南座」に上がった「招き」ということから、五条橋詰が思われたのでしょうが、交通の要所として広いばかりで、風情はいかがなものでしょう。
夜鳴きそば月中天の店仕舞ひ ゆき(冬月)
*食いもののくは出ていなかったので、「夜鳴き蕎麦」はグッドタイミングですが、ここは酒を採りました。
都鳥塒へ去りて月蒼く 遊子(冬月)
*前句が、京の鴨川近くということから、「都鳥」も合いますね。
寒月に村の梵鐘陰々と 今日(冬月)
*前句が歌舞伎小屋の在る都会とすれば、ここで村を出すと、この句に曖昧感が生じるように思います。
浮かび出る半跏思惟像月冴えて 揺子(冬月)
*京都だと広隆寺の弥勒菩薩像が有名ですが、丁度十三仏形式だと裏四は弥勒菩薩に当たりますね。そこまで考えての作句、恐れ入ります。
立飲みの小銭並べて月冴ゆる 芳(冬月)
*この句をいただきますが、「立飲みの小銭並べて月凍つる」と、皮膚感覚にしましょう。
病室の凍てつく窓に月揺れて 炬燵猫(冬月)
*病体も有っていいのですが、このような短い形式の場合は楽しいままに行けるのなら、省いてもいいのではないかと思います。