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#70106
光明
ゲスト

インターネット連句
 クレッシェンド「カリヨン」の巻
10月22日
 お待たせしました。9句目は花の座で、まさに一巻を飾る花の句が求められ、五句の候補句が寄せられました。
 そこで選んだのが、芳さんの「帯当てて燥ぐ姉妹の花衣」です。しかし「帯当てて」の動作表現が限定的なので、総体としてこのシーンを浮かび上がらせる表現、「帯選び燥ぐ姉妹の花衣」に修正して採りました。「帯選び」の儀式のクレッシェンドしていく「燥ぎ声」も効果的です。直接的な「花」ではなく「花衣」ですが、その先には花見に適う、見事な咲き様の花が目に浮かびます。

 次の10句目は春の短句を仮名留めでお詠み下さい。

なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は一語一会とします。
 次の10句目の締切りを24日の20時とします。揮ってご投句ください。

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  クレッシェンド「カリヨン」の巻  2021.10. 7起首

1  カリヨンの響動もす広場黄落す    しをん(秋)
2   時祷書に見る中世の秋        光明(秋)

3  後の月玻璃戸を開けて愛でるらん    秋草(月)
4   夜行列車で帰るふるさと      炬燵猫(雑)
5  ただいまに猫のあくびと大根焚     縁糸(冬)

6   胃痛覚ゆる漱石忌なる        遊子(冬)
7  坐禅組む何か変はると思ひつつ     閑坐(雑)
8   今朝は玄鳥至る軒先         日和(春)
9  帯選び燥ぐ姉妹の花衣          芳(花)

10                      (春)
11                      (恋)
12                      (恋)
13                      (夏)
14                      (夏)

皆様の付句
魁て都を染める花淋漓        遊子(花)
*四句目に「ふるさと」があり、対となる「都」が出れば、世界を狭くしてしまう気がします。それと「花淋漓」は初めて見る言葉です。「淋漓」の意味はサンズイ偏の漢字であることから、液体の描写というのが基本にあると思います。それは使用例からも分かることです。「元気のあふれるさま」と広辞苑にはありますが、これも液体の勢いからきているのでしょう。「花」と「淋漓」の合体語、どうも私にはしっくりきません。

帯当てて燥ぐ姉妹の花衣        芳(花)
*「帯選び燥ぐ姉妹の花衣」としていただきました。

花の雲ランチ予約を確むる     しをん(花)
*花見ランチの設え、ワクワク感が伝わります。

咲揃ふ花歓声につつまれて      秋草(花)
*「咲揃ふ花歓声に」が、胴切れで窮屈な感じがします。「歓声につつまれ花は咲き揃ひ」と、句跨りにしない表現もあり、むしろその方が品格が生まれ、望ましいとされます。

城山の石文濡らす花の雨      炬燵猫(花)
*「城山」は彼方此方にありますね。徳島にもあります。お城にゆかりの場所で、それぞれ物語を秘めており、「石文」がその手がかりになりますね。「花の雨」が効いています。