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インターネット連句
クレッシェンド「カリヨン」の巻
10月22日
お待たせしました。9句目は花の座で、まさに一巻を飾る花の句が求められ、五句の候補句が寄せられました。
そこで選んだのが、芳さんの「帯当てて燥ぐ姉妹の花衣」です。しかし「帯当てて」の動作表現が限定的なので、総体としてこのシーンを浮かび上がらせる表現、「帯選び燥ぐ姉妹の花衣」に修正して採りました。「帯選び」の儀式のクレッシェンドしていく「燥ぎ声」も効果的です。直接的な「花」ではなく「花衣」ですが、その先には花見に適う、見事な咲き様の花が目に浮かびます。
次の10句目は春の短句を仮名留めでお詠み下さい。
なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は一語一会とします。
次の10句目の締切りを24日の20時とします。揮ってご投句ください。
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クレッシェンド「カリヨン」の巻 2021.10. 7起首
1 カリヨンの響動もす広場黄落す しをん(秋)
2 時祷書に見る中世の秋 光明(秋)
3 後の月玻璃戸を開けて愛でるらん 秋草(月)
4 夜行列車で帰るふるさと 炬燵猫(雑)
5 ただいまに猫のあくびと大根焚 縁糸(冬)
6 胃痛覚ゆる漱石忌なる 遊子(冬)
7 坐禅組む何か変はると思ひつつ 閑坐(雑)
8 今朝は玄鳥至る軒先 日和(春)
9 帯選び燥ぐ姉妹の花衣 芳(花)
10 (春)
11 (恋)
12 (恋)
13 (夏)
14 (夏)
皆様の付句
魁て都を染める花淋漓 遊子(花)
*四句目に「ふるさと」があり、対となる「都」が出れば、世界を狭くしてしまう気がします。それと「花淋漓」は初めて見る言葉です。「淋漓」の意味はサンズイ偏の漢字であることから、液体の描写というのが基本にあると思います。それは使用例からも分かることです。「元気のあふれるさま」と広辞苑にはありますが、これも液体の勢いからきているのでしょう。「花」と「淋漓」の合体語、どうも私にはしっくりきません。
帯当てて燥ぐ姉妹の花衣 芳(花)
*「帯選び燥ぐ姉妹の花衣」としていただきました。
花の雲ランチ予約を確むる しをん(花)
*花見ランチの設え、ワクワク感が伝わります。
咲揃ふ花歓声につつまれて 秋草(花)
*「咲揃ふ花歓声に」が、胴切れで窮屈な感じがします。「歓声につつまれ花は咲き揃ひ」と、句跨りにしない表現もあり、むしろその方が品格が生まれ、望ましいとされます。
城山の石文濡らす花の雨 炬燵猫(花)
*「城山」は彼方此方にありますね。徳島にもあります。お城にゆかりの場所で、それぞれ物語を秘めており、「石文」がその手がかりになりますね。「花の雨」が効いています。