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#70414
光明
ゲスト

インターネット連句
 クレッシェンド「カリヨン」の巻
11月2日
 お待たせしました。挙句は夏の短句を詠んでいただき、その句が九句集まりました。この形式の場合、通常の挙句の決りごとは適用されず、15句目に繋がるような、あるいは投げかけるような、ある意味放散するような挙句でもいいように思います。
 そこで、明日に架ける橋に倣って、メロンさんの「二重虹立つ遠き山脈」を採りました。
 さらにこの「クレッシェンド」は、生まれたてということもあり、全て確立した形式ではない、これからさらに変化していく可能性のある、現在進行形の形式と言え、興行を重ねる事で成長させていただけましたら幸いです。
 まずは一巻の首尾は上々ということにして、よく分からない形式への、みなさまのご参加に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 次回興行まで、みなさまどうかお元気でお過ごしください。

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  クレッシェンド「カリヨン」の巻  2021.10. 7起首 11. 2満尾

1  カリヨンの響動もす広場黄落す    しをん(秋)
2   時祷書に見る中世の秋        光明(秋)

3  後の月玻璃戸を開けて愛でるらん    秋草(月)
4   夜行列車で帰るふるさと      炬燵猫(雑)
5  ただいまに猫のあくびと大根焚     縁糸(冬)

6   胃痛覚ゆる漱石忌なる        遊子(冬)
7  坐禅組む何か変はると思ひつつ     閑坐(雑)
8   今朝は玄鳥至る軒先         日和(春)
9  帯選び燥ぐ姉妹の花衣          芳(花)

10  風船売に人だかりして        遊子(春)
11 プロポーズ熱き情けを弾き語る      芳(恋)
12  乳房の傷はそつと隠され      炬燵猫(恋)
13 露天湯を濡らす卯の花腐し降り     今日(夏)
14  二重虹立つ遠き山脈        メロン(夏)

皆様の付句
キュッキュッと鳴るは海のほほづき   縁糸(夏)
*「海酸漿」で正しい季語になります。「海の酸漿」では意味も通らないと思います。

両肌脱いで独吟の情          今日(夏)
*打越に「乳房の傷」が詠まれていますので、「両肌脱いで」は差し合いますね。

黒千代香満ちる薩摩焼酎        日和(夏)
*「黒ジョカ満たす薩摩焼酎」としましょう。お酒が出ていないのに気付かれましたね。

児が草わけに生る蟷螂         閑坐(夏)
*季語「蟷螂の子」と「蟷螂生る(かまきりうまる)」が混在しています。「児」は相応しくないですね。

氷あづきの山はふんはり       しをん(夏)
*ここまで食べ物は「大根焚」だけなので、もうひとつ「氷あづき」はいいかもしれませんね。因みに関西と関東では違いがあります。関西はあづき餡をかき氷の上に乗せますが、関東はあづき餡を器の底に先に置き、その上にかき氷を積んでいきます。「山はふんはり」ということで、この句は関東式の氷あづきですね。

二重虹立つ遠き山脈         メロン(夏)
*この句をいただきました。

旨いのなんの鱧の照焼         遊子(夏)
*この句も食べ物を詠まれましたが、「鱧」は関西の夏には欠かせない食材です。鰻ほど高価ではないので良く食されます。この句は照焼ですが、酢味噌で食べる湯引きも私は好きですね。

川筋の村揺れる蛍火         炬燵猫(夏)
*この句もよく付いていると思います。前句の露天湯を温泉場の景と見立て、あしらうように遠景を描いたのですが、「蛍火」がやや弱いように思います。

心太突く子等の歓声           芳(夏)
*「歓声」それも大きな、というクレッシェンドの挙句らしい、句姿を詠まれました。