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インターネット連句
クレッシェンド「カリヨン」の巻
11月2日
お待たせしました。挙句は夏の短句を詠んでいただき、その句が九句集まりました。この形式の場合、通常の挙句の決りごとは適用されず、15句目に繋がるような、あるいは投げかけるような、ある意味放散するような挙句でもいいように思います。
そこで、明日に架ける橋に倣って、メロンさんの「二重虹立つ遠き山脈」を採りました。
さらにこの「クレッシェンド」は、生まれたてということもあり、全て確立した形式ではない、これからさらに変化していく可能性のある、現在進行形の形式と言え、興行を重ねる事で成長させていただけましたら幸いです。
まずは一巻の首尾は上々ということにして、よく分からない形式への、みなさまのご参加に感謝申し上げます。ありがとうございました。
次回興行まで、みなさまどうかお元気でお過ごしください。
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クレッシェンド「カリヨン」の巻 2021.10. 7起首 11. 2満尾
1 カリヨンの響動もす広場黄落す しをん(秋)
2 時祷書に見る中世の秋 光明(秋)
3 後の月玻璃戸を開けて愛でるらん 秋草(月)
4 夜行列車で帰るふるさと 炬燵猫(雑)
5 ただいまに猫のあくびと大根焚 縁糸(冬)
6 胃痛覚ゆる漱石忌なる 遊子(冬)
7 坐禅組む何か変はると思ひつつ 閑坐(雑)
8 今朝は玄鳥至る軒先 日和(春)
9 帯選び燥ぐ姉妹の花衣 芳(花)
10 風船売に人だかりして 遊子(春)
11 プロポーズ熱き情けを弾き語る 芳(恋)
12 乳房の傷はそつと隠され 炬燵猫(恋)
13 露天湯を濡らす卯の花腐し降り 今日(夏)
14 二重虹立つ遠き山脈 メロン(夏)
皆様の付句
キュッキュッと鳴るは海のほほづき 縁糸(夏)
*「海酸漿」で正しい季語になります。「海の酸漿」では意味も通らないと思います。
両肌脱いで独吟の情 今日(夏)
*打越に「乳房の傷」が詠まれていますので、「両肌脱いで」は差し合いますね。
黒千代香満ちる薩摩焼酎 日和(夏)
*「黒ジョカ満たす薩摩焼酎」としましょう。お酒が出ていないのに気付かれましたね。
児が草わけに生る蟷螂 閑坐(夏)
*季語「蟷螂の子」と「蟷螂生る(かまきりうまる)」が混在しています。「児」は相応しくないですね。
氷あづきの山はふんはり しをん(夏)
*ここまで食べ物は「大根焚」だけなので、もうひとつ「氷あづき」はいいかもしれませんね。因みに関西と関東では違いがあります。関西はあづき餡をかき氷の上に乗せますが、関東はあづき餡を器の底に先に置き、その上にかき氷を積んでいきます。「山はふんはり」ということで、この句は関東式の氷あづきですね。
二重虹立つ遠き山脈 メロン(夏)
*この句をいただきました。
旨いのなんの鱧の照焼 遊子(夏)
*この句も食べ物を詠まれましたが、「鱧」は関西の夏には欠かせない食材です。鰻ほど高価ではないので良く食されます。この句は照焼ですが、酢味噌で食べる湯引きも私は好きですね。
川筋の村揺れる蛍火 炬燵猫(夏)
*この句もよく付いていると思います。前句の露天湯を温泉場の景と見立て、あしらうように遠景を描いたのですが、「蛍火」がやや弱いように思います。
心太突く子等の歓声 芳(夏)
*「歓声」それも大きな、というクレッシェンドの挙句らしい、句姿を詠まれました。