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#707
雀羅
ゲスト

■(1)世吉「笹舟に」ナオ2治定
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(1)世吉「笹舟に」           2017.9.15 起首

笹舟に乗せゆく酒(ささ)や小鳥来る         雀羅
 秋の灯点る老舗割烹               鮎並
月白の墨に膠を含ませて              紅鯨 月・秋
 初心者ゆえの芸の細かさ             麦子
夫らはケーキ作りに挑戦し             絵(かい)
 長寿の家系百歳の笑み              りえ
掛軸のくだかけの尾の垂れさがり           鮎
 浦風に知るけふのつゆ明け             羅

もてなしのグリーンサラダにパセリ摘む        紅
 客は未来の舅姑                  え
てのひらに波濤図愛づる山の寺            麻里
 妖怪絵巻夢に魘(うな)され             今日
伏せている二人の中のすきま風            絵
 水に流るるオフィリアの帯             紅
満ち満ちてまぶしき月の今いくつ           小石 月・秋
 悩みの底に落ちるかなかな             百花
秋空へ組体操の立ち上がり               鮎
 擦り傷なんかツバで治るよ             鞠鈴
あっけらかん大正昭和生き抜いて          いばら
 雨降らぬ日もゴム長を召し              紅
漕ぎながら落花をうける掌(たなごころ)         日
 木橋の杭に掛かる切れ凧               鈴
ナオ
うらうらと春暮れてゆく大工町            田助
 丸いポストに葉っぱ投函               麦

○「ポストさんも夕方はおなか空くのかな」と小さな子どもが葉っぱを1枚ポストに入れたくらいなら大して罪なことではないですが、オトナがこれをやってたらあぶないですね。もっとも「多羅葉」という木の葉が今の葉書の語源という話もありますから、美しいメルヘン的な比喩にとってもいいですね。

「風見鶏見てお茶としやうか 今日」、今日さん、付き過ぎじゃなくなりました。この調子ですね。前句「春(の)暮」は時候の暮(大暮)と時刻の暮(小暮)両方の意に使われますが、ここは大暮。職人さんは夕方になってから「お茶にするか」なんて言いませんからね。

「荷解きを終えてパグに挨拶 紅鯨」、「パグに挨拶」の「パグ」はわんちゃんのことですね。どうかするわんちゃんが梱包されてやってきたみたいにも思え、字は違いますが、私は機械やパソコンの不具合のもとになる「バグ(虫の意)」のことを思ってみました。パソコンのバグに悩まされている人がいらつかず「今日はどうかな」と軽い挨拶にしてる場面で、特に引っ越しや運搬の後のパソコンや通信は気になります。連句は誤読の遊び、とも言えますね。

長句をどうぞ。