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#739
雀羅
ゲスト

■(1)世吉「笹舟に」ナオ11治定
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(1)世吉「笹舟に」           2017.9.15 起首

笹舟に乗せゆく酒(ささ)や小鳥来る         雀羅
 秋の灯点る老舗割烹               鮎並
月白の墨に膠を含ませて              紅鯨 月・秋
 初心者ゆえの芸の細かさ             麦子
夫らはケーキ作りに挑戦し             絵(かい)
 長寿の家系百歳の笑み              りえ
掛軸のくだかけの尾の垂れさがり           鮎
 浦風に知るけふのつゆ明け             羅

もてなしのグリーンサラダにパセリ摘む        紅
 客は未来の舅姑                  え
てのひらに波濤図愛づる山の寺            麻里
 妖怪絵巻夢に魘(うな)され             今日
伏せている二人の中のすきま風            絵
 水に流るるオフィリアの帯             紅
満ち満ちてまぶしき月の今いくつ           小石 月・秋
 悩みの底に落ちるかなかな             百花
秋空へ組体操の立ち上がり               鮎
 擦り傷なんかツバで治るよ             鞠鈴
あっけらかん大正昭和生き抜いて          いばら
 雨降らぬ日もゴム長を召し              紅
漕ぎながら落花をうける掌(たなごころ)         日 花・春
 木橋の杭に掛かる切れ凧               鈴
ナオ
うらうらと春暮れてゆく大工町            田助
 丸いポストに葉っぱ投函               麦
いつまでも母の御筆を待ち焦がれ            日
 船首のフィギュア琴を抱いて             紅
伝説を神話にかへて日の名残り              小
  ひきこもりにも取材依頼が              羅
捨てられぬ犬の匂いのする毛布              麦
  小屋から坊やコタツから小火(ぼや)         鮎
どてら着て高等遊民気取る爺               鈴
  網手袋の女近づく                  晴
ひたひたと満月目指す蟻の道             太郎

○お名前は「浅草太郎」がよかったですか。取り敢えず二文字の方を頂きました。こういう句を読みますと蟻は夜間活動もするのかなと思いますが、詩的な心象を引き出すのに必ずしも生物観察に合致しないといけないということはないと思います。「高等遊民気取る爺」に「 網手袋の女」の接近で何が起きるのだろうと思いましたが、謎めいた句で収められました。

「鞭打って西部開拓夏の霜 今日」、昔見た西部劇の♪ジャニー・ギターの『大砂塵』を思い出します。おたがい旧いですね(^^) 「夏の霜」は夏月のこと。

次は雑の短句です。