■灰汁桶の?
桃さん、「灰汁桶の雫やみけりきぎりす 凡兆」を念頭においたということですね。
なるほど、前句が「当てのない着信音を待ついとど」ですからね。「いとど」は江戸時代は「こおろぎ」あるいは「きりぎりす」にも見立てられます。頂いた句は「最後の一滴玉露香らす」ですが、これで凡兆の発句の連想を誘うのはかなりの飛躍に思えます。「いとど」句から「猿蓑」の「灰汁桶の」巻の発句のおもかげを出そうとしたら、
当てのない着信音を待ついとど
したたりやまぬ闇の灰汁桶
くらいの作り方にすれば何とかオーケーかと思います。連句も何度も空振りしているうちにパチッとジャストミートするポイントがつかめます。どんどんトライして下さい。