■②歌仙「足摺や」ウ1 治定
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②歌仙「足摺や」 2017.12.1 起首
足摺や師走一日(いっぴ)の空の色 雀羅
貝はまどろむ寒凪の下 柳下
知らぬどち小さき飲み屋の相席に 鞠鈴
手相によれば子供運よし 麦子
走らせて月に翻びたき青インク 紅鯨
文豪こもる萩の古民家 鮎並
ウ
新藁の狼煙にむせる十勇士 小石
○講談や立川文庫の「真田十勇士」の世界に入り込みました。古民家に籠もっている「文豪」の空想世界に無理なくつながっている感じがするのは、「狼煙のむせる」に文豪がふかしている煙草を感じさせるからでしょうね。
「小牡鹿の牝鹿呼ぶ声聞こえ来て 鞠鈴」、執筆している「文豪」の耳に届いた鹿の声で、これもうまく付いていると思います。恋の呼び出しとしてのはたらきもあります。
次は秋を続けても雑(無季)でも、どうぞいかようにもお進め下さい。