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#1505
雀羅
ゲスト

■②歌仙「足摺や」ナウ2治定 雀羅   
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②歌仙「足摺や」            2017.12.1 起首

足摺や師走一日(いっぴ)の空の色           雀羅
 貝はまどろむ寒凪の下               柳下
知らぬどち小さき飲み屋の相席に           鞠鈴
 手相によれば子供運よし              麦子
走らせて月に翻びたき青インク            紅鯨 秋・月
  文豪こもる萩の古民家               鮎並

新藁の狼煙にむせる十勇士              小石
 牝鹿小牡鹿呼応するかに               鈴
ばったりと井筒に出会う幼どち            麦
 袴姿の後追った日も                晴
薙刀を習ふ会津の女学生             華美優
 毬果(きゅうか)の下がる樅の木を立て        柳
凍月を借りてスペースフリスビー           石 冬・月
 撮影班に続く残業                 羅
西郷どんの猟犬ツンも疲れ果            今日
 阿弥陀経読む僧の福耳               鮎
ゆうぐれの琵琶の音花の雨さそい            晴 春・花
スーパースター春の岬に                日
ナオ
まなうらに降りてこぬ凧鳴り続け            羅
 草餅つくる父の命日                 柳
あの世などないと信じている一家            麦
 爆弾本にボスが詰め寄る              日
熱戦中タイムと髪を撫付けて             石
 ニッカボッカは風に膨らみ              紅
どやどやと来て生ビール一気飲み          可不可
 稼ぎの悪い猿はつながれ               羅
舞ひやまぬ鶴の親子を見上げつつ            日
 お屋敷町を染めるもみぢ葉              紅
狩野家の夢に透けゆく昼の月             羅
 水指に飼う蟋蟀の声                晴
ナウ
 宇宙船降りくる彼はダンディに            麦
  蝶ネクタイを少しゆるめて            石

○小石さん、「蟋蟀」と「蝶」は同じ虫類ですが、「蝶ネクタイ」は虫ではありません。打越の「彼岸会」に「いたずら坊主」が来ようと、「坊主」があるからと釈教ではくくれないのと同様です。こういうことにナーバスになりはじめますと、「水指」に「ドットのタイ」は、「水玉模様」が水を感じるから避けたいと言い出すのと同じで、いくらでも障りの網は拡げることが出来ます。

どういうことに連句式目の力点を置くかで連句作者の連句観もさまざまですが、連句グループの美意識としてのローカルルールと、伝統的な(蕉風のと言っていいですが)連句観とは分けて考えた方がよいと思います。この「インターネット連句画」が、ささやかながらでもそうした連句観のギャップを整理する場になれればと思っています。付句を通してそんなやりとりもして行きましょう。

ではどうぞ。雑の長句です。