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■⑤歌仙「ポケットの」ウ12治定
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⑤歌仙「ポケットの」 2018.6.2 起首
ポケットの中に景色や更衣 雀羅
卯波を蔵うコインロッカー 桃
大陸に版画の行方追ひかけて 小波
丘にのぼれば街の灯が見え 田助
町をあげ歌へ踊れの月の宴 富士 月・秋
背中に眠る児へは秋風 晴
ウ
不受不施の寺の団栗転がり来 にゃん子
百回噛めば満つるしあはせ 麦子
昨日の歯医者の予約思ひ出し 富
心変はりを責めぬ夕風 小石
お隣のフランソワーズはうちのタマ 桃
感謝祭から太り始める 羅
眠らざる街にファミレス冬の月 富 月・冬
若者あまた雪に彷徨ひ 波
高々と角笛鳴らす妖精王 桃
文士劇にもギャラが出ていた 羅
フラッシュの残像の中花吹雪く 和嘉子
朝市の雲丹啜る熟年 富
ナオ
○前句の状況とどう付いているのか、と思われるところもありますが、面白い付けだと思います。連句で「面白い」というのは、付筋やストーリーがはっきり見える、というだけでなく、前句と付句の取り合わせによってどのような味わい(ケミストリー)が生まれているか、と幅広く鑑賞することで連句の作品としての豊かさが備わっていることを言います。
治定句、朝市でこんなものを啜って吟味する「熟年」がいいですね。「どんたくの街避けて地下鉄」「 竹秋を抜け祝のホテルに」も付かなくはないですが、治定句イチオシ。
ちなみに、「うに」に江戸小咄があります。ある医者がお城にあがって酒とうにを供され、「うまいものでござるな」。「ようやっと手に入れたが、これの角はよく利く毒消しでござる」。当時は一角獣のことを「うにこおる」といってその角は解熱剤として卓効があると思われていました。「うに」と「うにこおる」を散り違えているおかしさです。柳多留には「踊子のはなしおおきなうにこうる」とありますが、この場合の「うにこうる」はウソ、いつわり。
ではもう一句春です。