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■⑥歌仙「天牛や」ナウ2治定
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天牛や新幹線を止める雨 雀羅
甚平のまま乗り移る舟 和嘉子
透かし入りノートブックを文机に 桃
保養所の庭四季を彩り 富士
風に乗り玉兎の駆けて行く小径 小波 月・秋
湧き水で研ぐ郷の新米 富
ウ
冬隣内なる鬼と打ち解けて 羅
小町の歌を懸想文売 桃
あれ以来三日にあげず見る夢は 富
くらげ寄せくる原発の海 羅
シャンパンの泡は細かにたちのぼり 桃
絵筆に浸す淡き桃色 嘉
今ここでローランサンになりたくて 波
ワープの基本五秒息とめ 小石
天窓の真上に月の冴ゆる刻 富 月・冬
猫のかあさん予習復習 桃
よるべなく風に押さるる花筏 富
店のはんこを掏られたる春 羅
ナオ
見返れば踊るひとゐて山笑ふ 波
もうピカチュウの出ない草原 桃
七十路は人生ゲームの途中下車 富
ハシビロコウのようなあいかた にゃん子
大学の研究室を住処とし 桃
同棲時代こわいもの無く 石
傘があるから逢ひに行く夏の雨 波
伝道の書に挟むががんぼ 羅
反省をしながら食べるチョコレート に
億万光年思はれにきび 桃
朝まだき漫画喫茶を出れば月 に
上野の森のもみぢ葉の濃き 羅
ナウ
眉ふとき男が入る菊人形 富
奴で良しと祖父の生き甲斐 波
○望まれぬリーダーの溢れる昨今、「奴で良し」とは潔い生き方です。
富士さん、「菊人形」を押しつけた形になりましたがおゆるし下さい。付句の説明有難うございます。「上野の森のもみぢ葉の濃き」に「打ち寄する津軽の波に秋惜しむ」は、石川さゆりの『津軽海峡冬景色』で繋いでいたのですね。その場合、「めつむれば津軽海峡秋景色」といった感じにすれば、「上野の森」にいながらにして「津軽海峡」を感じることが出来るのではと思います。
連句の座にあれば10秒で片付くようなことをここでですと何時間も、場合によっては何日も引っ張ってしまうという、ネット連句特有の出来事が起きます。しんどいと言えばしんどいかも知れませんが、座にある時よりも“伝わることば”に腐心するということがありますので、ここに面白みと刺激を感じられれば、文音には座とは違った楽しみがあります。連句は逃げて行きませんので、お好きに遊んで下さい。
ではどうぞ。