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#44359
雀羅
ゲスト

■⑪歌仙「浅春の」ナウ4治定        2019.3.3 起首
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鬼怒鳴門氏に
浅春の過客閲(ケミ)する月日かな           雀羅
 書棚に馨る梅の一輪                 摩悠
名残雪虹色の夢手に受けて             あげは
  彼方の空に煙上れる                 不映
有明の水脈(みお)を曳きゆく漁舟(イサナブネ)     田助 月・秋
 曲げわっぱには零余子飯詰め             は

花野ゆくをさなごを追ふ母であり          しをん
 をんなはぶたぬアメリカの兵             羅
オムレツのフォークに残る赤い紅           うに
 寄せ書きしたる色紙黄ばんで            は
古書市に浄瑠璃本を見つけたる            紫
 父のめがねの似合う麦秋             小石
夕焼雲ヨガ教室は高階に               に
 ショートパンツで月を迎える            映 月・夏
奥さまは魔女いっしゅんでピッカピカ        安庵
 ともだちの輪が世間さわがせ            は
一山のひかりを集め花吹雪              ん
 針魚のにぎり信楽に映え              庵
ナオ
焙炉場(ホイロバ)にあねさんかぶりしてた姉       映
  胸の揺らぎは渋い声から             は
閉まるドア共に押さえて乗った人           映
  浜通りには潮の香があり             羅 
わざはひを希望に変へて立つ石碑           は
 井戸の茶碗を志の輔で聴く            石
尻尾から鯛焼き食べる律儀者             映
 帳場箪笥に冬日射し入り             ん
適温になればおしえる電子音             は
 路面電車のがたんごとごと             に
土手の上(へ)に雲引きつれる月現(あ)れて     映
 まるくまあるく冷ゆる陵(みささぎ)         に
ナウ
プリペアド・ピアノに飾る吾亦紅          羅
 羊のむれを森に吸いこみ             庵
七人の小人に会って還る母             映
  掌(て)の中ある石は鶸(ひわ)色         に

○「その掌の・・」の「その」は前句に寄りかかりますからこれは取りましょう。「鶸(ひわ)色」は草餅のような色ですね。こんな色の石は珍しいですが、前句の「母」は「あ、草餅」と思って拾ったのかも知れませんし、純粋に綺麗なものに惹かれる気持ちから握っているのかも知れません。「色が心配」とのことですが、「吾亦紅」の「紅」と「鶸(ひわ)色」は二句去っています。先日お話しました、芭蕉連句を分析した原田曲斎は色について「異色字越不嫌」(色が違えば打越も構わない)」と整理しています。これはちょっと無頓着な感じしますが、「鶸(ひわ)色」の場合ともかくも打越ではないというので、こういうところはおおらかに進めて行きたいと思います。

「庭に長椅子頬に軟東風 不映」、前句「母」の穏やかな時間を作り出しています。

「言葉を友に遊ぶ現世 あげは」、どのような言葉も付合いの中で生かされる連句あそびを楽しめる「うつしよ」、前句「母」の不思議な夢の中の言葉も、すこしでも聞く耳持てれば、お互い楽になれるのですね。

「七人の」の治定句、「出会い還る」→「会って還る」にさせて下さい。

ではいよいよ花の句です。どうぞ。