■訂正。「うんのなさやき餅坂で追っかれ」→「うんのなさやき餅坂で追っつかれ」。又、『誹諧柳多留』には、「うろたへた女五山をあつちこち」というのもありますが、いずれも「松ガ丘」(縁切り寺)が主題で、亭主との縁を切ろうと飛びだしては来たものの、鎌倉は広く大きな禅寺が5つあり、あちこっちして中々東慶寺にたどりつかない、の意です。又同じく『柳多留』に「うろたへて陰間かつ込む松ケ丘」とあります。陰間は男娼のことですが、この人たちにも痛ましい心の歴史があることを思わせる句で、これを笑い飛ばす江戸人のしたたかさとタフさは現代の俳諧者には太刀打ち出来ないようです。