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#49565
雀羅
ゲスト

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米字「風鈴を」           2019.7.13 起首

風鈴を見てゐる猫の夕かな           桃太郎
 ほたるぶくろに灯(トモシ)入る頃         雀羅
咳払影絵の舞台整ひて              うに
 空気読まない派手な着信            芳
九時五時をしっかり守り窓際に          笑女
 八枚切りのパンは売り切れ            に
なで肩の影をふみふみ小望月           安庵 月・秋
 へちまを下げる宗匠の路地             桃

さわやかにキャッチボールの捕球音         芳
 牛若丸は甲子園かも             しをん
恩師への弔辞を諳んじてをりぬ            閑坐
 花に雪ふる昼の邂逅               羅 花・春
佐保姫はお菓子のように化粧して           桃
 髪をバッサリ切って卒業              坐
半刻をいけない人と蛍舟               女
 夏の霜にはゆため息が溶け             庵 月・夏
ペン先のインク固まる文机              芳
 金運上げる風水に凝り               桃
あの頃も今も聞く耳もたぬ父             女
 石垣崩すガジュマルの木は            上里
二オ
床の間に人形をおく初景色              羅
 膳のさびしき雨の正月              庵
おとづれはメトロノームの鳴りてより         に
 目覚めた猫の手足のびやか            小石
くたびれた営業マンのいるベンチ          芳
 今は昔の孟母三遷                を
針金の家を出てゆく鴉の仔             羅
  夕べの虹をひとは見届け             に
端とはじ耳にあてれば水の音             庵
 湖畔と犬と若き女性と              坐
明日からのシニア講座に上り月           を 月・秋
 ホームの底にすだくがちゃがちゃ         坐
二ウ
露寒の故郷に住む人のこと              桃
 縁談十組纏めると言う               を
痛い目にあえば分かるさ本気度が           女
 白村江からずっとこのかた            羅
穫れすぎた茄子の料理を四品ほど           に
 走り書きには昼寝起こすな            芳
馬肥えてお仙ころがる秋を待つ            庵
 風ニモマケズ凛と磯菊               芳
銀鉤のめぐり来るとき熱を出す            に 月・秋
 イザナミ追えば逃げるイザナギ           女
おぞましき姿を花にかえ給え              庵 花・春
 鏡の中も抱卵期なり                羅
三オ
猫の子を窺っている恋がたき             坐
 少し言葉の多すぎた夜                桃
完璧なアリバイが生む不信感              芳
 お約束ならここでカツ丼              桃
勝負する前に勝負がついてをり            芳
 朝がくるのか夜になるのか             石
流眄(ナガシメ)のブルーボーイに秋扇          庵
 懐紙の上に石榴弾ける               羅
上り来て夕月淡き東慶寺               を 月・秋
 寄せては返す人の世の波              桃 
船上で万歩計見る几帳面               に
 ポジティブ思考裏目裏目に              女 
三ウ
神集ひしてゐる庭の頼み事             坐
 風邪声に効く甜茶(テンチャ)のど飴          桃
母と娘が同窓になる芸大に             羅
  恋の舞台に度胸試され             坐
男気のラップバトルを見せつける 芳

○「男気のラップ」、いいですね。「度胸試され」の主体が「娘」から男性に変わりました。筋違いかも知れませんが、友川カズキの「夢のラップもういっちょう」を思い出します。あの人は酒飲みながらコンサートやってますが、シャイなんですね、芯から。「君に会う友を裏切る罪背負い」、用言多用の一句です。つまりは本番に立つのにいろんなエキスキューズが必要なんでね。「計算をしつくし誘う甘い夜」、「計算をし尽くさない」と前に出ていけない人、とも読めます。

「会へざるに手紙でおとす詩人ゐて うに」、面と向かうよりも手紙、書き言葉で伝えたい人。

「帰り来しノラの手を取るトルヴァルは しをん」、「トルヴァル」は「人形の家」のノラの夫(弁護士)。夫婦の、難しい
場面では、「度胸」という類のものが働く余地があるということ。人名を使うか、俤の効果を生かすか、一概には言えません。

「女性との扱ひされぬ濃い化粧 閑坐」、「扱ひされぬ」は「扱いをされない」だけでなく、「濃い化粧のために女に見られてしまった」とも読めます。前句の「舞台度胸」にからめるとその線もあります。

お次をどうぞ。