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9月16日
お待たせしました。
冬の季語を用いて恋句を詠むという課題に、8句お寄せいただきみなさんそれぞれ工夫を凝らされています。その中から、前句にも上手く付いて転じているメロンさんの「逢瀬の日サンタさんより齎(もたら)され」をいただきます。前句の「助手席」は、実はトナカイが牽くサンタが乗る橇の助手席なんだと、ひとつの答えが読み取れるところからこの句を選びました。
そのサンタさんが運んできた逢瀬の日の知らせ、あるいは逢瀬自体がサンタからの贈り物ということもありうる、読みの多面性を誘う働きがありますね。
次はウ三、もう一句恋の短句にしますが、18日に大分市で西日本連句を楽しむ会が開催され家を留守にしますので、投句締め切りは19日の20時とさせていただきます。
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少年探偵団(賜餐) 2019.9.8起首
野分だつ僕ら少年探偵団 光明(秋)
月に透かせば顕れし地図 夕汐(月)
鳥渡る一村十戸寄り添うて しをん(秋)
ウ 赤いカバンが助手席に乗る 安庵(恋)
逢瀬の日サンタさんより齎され メロン(冬恋)
(恋)
ナオ (春)
(花)
(春)
みなさんの付句
熱々のたい焼きよりも熱き頬 麻子(冬恋)
*鯛焼きよりも熱々なものという比較が恋のバリメーターという、見せ方が面白いとおもいました。「熱き頬」は熱烈に火照っているんでしょうね。「熱き胸」だと平凡かも。
君の瞳にキラキラ揺れるペチカの火(ほ)しをん(冬恋)
*「ペチカの火」に恋の思いを盛り込むことができているかですね。瞳に揺れるだけでは恋句としては弱いように思われます。
逢瀬の日サンタさんより齎(もたら)され メロン(冬恋)
*この句をいただきます。
逢えばまた消せぬ埋火胸の奥 芳(冬恋)
*歌謡曲に「逢えば別れが辛くなる」というのがあったように思います。「逢う逢わない」とはなびら占いにもなるように、恋では「逢うという」行動が重要ですね。元凶とも言えます。そんな苦しい恋のニュアンスをうまく詠まれました。
降り閉ざす雪に言葉も無く二人 夕汐(冬恋)
*この二人はどんな関係なんでしょう。好意的に読めば恋人同士なのかもしれませんが、まだ恋愛未満の関係でここから発展するとも読めます。すこし読者の想像力に委ね過ぎのように思います。
恋しさはラグビー音痴通に変え みゆき(冬恋)
*ワールドカップの開幕が目前となり、一気にラグビーが恋のキーワードにもなっているかも知れないと思わせる句です。まさにあるあるですね。
年賀状まだ馴染めない新苗字 遥夢(冬恋)
*新婚所帯に届いた年賀状を使った新婚カップルの愛の育みが、さりげなく詠まれています。
息白し巫山の夢を胸に抱く 今日(冬恋)
*「巫山の夢」は、楚の懐王が高唐(楼閣)に遊び、昼寝の夢の中で巫山の神女と名乗る女性と契ったという故事に基づいていますので、この故事に凭れ過ぎているように思われます。故事来歴を句にする面白さと難しさが浮かび上がりましたね。