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10月 9日
お待たせしました。
6日の日曜日、13回目となる「浪速の芭蕉祭」に参加してきました。大阪天満宮の本殿に参拝した後、境内にある会場に移動して、まずは日本連句協会理事のお二人、小池正博さんと山中たけをさんによる対談「現代連句のこれから」が1時間あり、それから31名が5座に別れての連句実作会、終了後は居酒屋「かっぽうぎ」での懇親会を楽しみました。私の座は捌きを小池正博さんが担い、ゲストにラッパーのsingo西成さんを迎え、日本連句協会の広報活動の一環として、山中たけをさんが取り組んでいる「ミーツ連句」、つまり実作の座を撮影編集して動画作品に仕上げ、ユーチューブで公開するという企画に協力する座でした。韻を踏むラップとの関連で、形式はこのコーナーでもいずれ取り上げる予定の脚韻を踏む「テルツァ・リーマ」を巻きました。
さて、「月光」の巻の第三ですが、夕汐さんの「捨て案山子立ち上がれない哀しさに」を採ります。ただし、「哀しさに」は発句の「てのひらに」と「に」が差し合うので、第三の留めとしてはイレギュラーですが「哀しさよ」と修正させていただきます。この句に惹かれたのは、「捨て案山子」に操り人形マリオネットを想ったからです。ピアノ曲を伴奏にして動こうとして動けない「捨て案山子」に悲哀を感じました。
次は四句目ですが表の折端になります。仮名留めにして雑の短句をお詠み下さい。締切りは11日の20時とさせていただきます。
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月光(獅子) 2019.10.7起首
てのひらに余る月光おすそ分け メロン(月)
黒鍵よりも冷ゆる白鍵 光明(秋)
捨て案山子立ち上がれない哀しさよ 夕汐(秋)
(雑)
ウ (冬)
(冬恋)
みなさんの付句
一筆を熱く包むは夜学かな 葵(秋)
*音楽室からのイメージで「夜学」でしょうか。それは適っていますが、切れ字としての「かな」留めは第三には相応しくありませんね。
炉火欲しと猫のクーちやんすり寄りて メロン(秋)
*寒がりの猫ちゃん、前句の黒と白という色彩からも自由な想像ができますね。
アルバムの柿食う兄は祖父に似て 遥夢(秋)
*「アルバムの兄」ということは今は存在しないと思わせ、祖父との対比が表で詠まれることが惜しまれる「無常」「懐旧」を含む句と言えるでしょう。
美術展大筆の文字踊らせて 芳(秋)
*この句も書道の書を前句の色彩「白と黒」をヒントにされたかな、と思わせられました。いい発想ですね。
捨て案山子立ち上がれない哀しさに 夕汐(秋)
*この句をいただきました。
木晒の残りひとつは導にて 安庵(秋)
*「木晒」から「木守り柿」への意味の変化を一句の中で果されており、面白いと思いましたが、実った柿からひとつだけ残し翌年への祈りにする、あるいは小鳥のために残してあげるという意味が、発句の「おすそ分け」に通じるかなとふと思わされました。
予報士の明るき声も爽やかに しをん(秋)
*ここは「に」留めは避けていただくように指示しましたが、「爽やかに」となっていますね。「予報士の明るき声に空澄みて」でいかがでしょう。
新走香りきりりと済み切って 麻子(秋)
*「澄み切って」ですね。お酒は今回、表にはまだ早いような気がします。