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#54274
光明
ゲスト

インターネット連句
ソネット「仁王門」(抱擁韻)
5月20日
 お待たせしました。13句目の花の句は月の句と同様、一巻の中で特に意識される句であることは皆様ご存知で、その思いに満ちた10句が集まりました。
その中から、しをんさんの「誘はれ丘に上れば花の雲」を採りました。与謝蕪村の「愁ひつつ岡にのぼれば花いばら」に似て、それ以上の景色の広がりを持った句になっています。
 さて、とうとう挙句を詠んでいただくところまで来ました。14句目は春の短句を晩春か三春の季語で、脚韻には「くも」を入れてお詠み下さい。
 仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
 それでは、挙句となる14句目の締切りを22日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   ソネット「仁王門」(抱擁韻)   2020.04.28起首

1  葉桜や夕陽溶けゆく仁王門      炬燵猫(夏)a
2   サングラス取り漢佇む        光明(夏)b
3  街角のカフェに読みさすアフォリズム  楽之(雑)b
4   金庫の宝二束三文          秋草(雑)a

5  満ち欠けを諾ひ巡る今日の月     メロン(月)c
6   夢見る朱鷺を起こさないやう     小石(秋)d
7  新酒利く審査員らの無言行       ゆき(秋)d
8   浮気責めてもニクい落着き      遥夢(恋)c

9  帰るなと抱き留めるかに雪しまく    夕汐(冬恋)e
10  閉ぢ籠もるのも飽きた寒鯉      安庵(冬)f
11 天目の茶碗救へと命乞ひ         葵(雑)f

12  曲水の宴風雅にて幕         閑坐(春)e
13 誘はれ丘に上れば花の雲       しをん(花)g
14                      (春)g

皆様の付句
城内の舞台横には花篝         閑坐(花)g
*能舞台でもあるのでしょうか。花篝が添え物になった感じがして勿体ないですね。

咲く花に散り敷く花に宿る精     メロン(花)g
*花の句を詠むのには長い伝統を踏まえたところがあります。移ろう花の観察がそれを支えますね。花が持つ精髄を、詠み継いでいく使命感を覚えます。

花に触れ母に幼き笑顔見る        芳(花)g
*花の不思議を体験する瞬間を切取った佳句です。

髪垂れた童の友の花盛り         葵(花)g
*「花盛り」がぴったりこないのはどうしてでしょうか。

人の世はいかにありとも花ぞ咲く    遥夢(花)g
*特に山桜はそうですね。仲間をどんどん増やしていきますから。

目を閉ぢて散りゆく花の声を聞き    ゆき(花)g
*繊細な花の句になりましたが、10句目に「閉ぢ」がありますね。

琴の音に天吹も奏ふ花の庭       今日(花)g
*前句が「曲水の宴」ということは庭園が背景にありますので、さらに「花の庭」は付き過ぎ。「天」字も既出ですね。「天吹」(てんぷく)は小さな尺八の一種で鹿児島県の伝統和楽器です。

誘はれ丘に上れば花の雲       しをん(花)g
*この句をいただきました。蕪村句を想いました。

緩やかに黄昏てゆく花明り       秋草(花)g
*発句に「夕陽溶けゆく」がありますね。

お城より花見太鼓に誘はれ       日和(花)g
*「花見太鼓」は藤沢周平の作品に出てきたように思います。確か家臣への花見のスタートの合図に鳴らされた太鼓でしたか。季語を含む熟語として認知されているかどうかは定かではありません。「城よりの花見太鼓に誘はれ」でしょうか。