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インターネット連句
ソネット「花火船」(交叉韻)
6月30日
皆様、おまたせしました。ソネット連句交叉韻のスタートです。「花火船」の巻が始まりました。
八句の候補句の中から、夏季の正花になる季語である「花火船」を用いて、時の移ろいを自然に詠み込んだ、安庵さんの「花火船屋号半分消えかかり」を採りました。これは採らされたという感じと言えますね。
それに付けた脇句は、私の「蕩児いまだに波乗に暮れ」で、「波乗」は「サーフィン」のことです。
このあとの3句目は雑の句をお詠み下さい。脚韻はa韻の「かり」になります。交叉韻の押韻形式は abab/cdcd/efe/fef です。
前回同様、歌仙式の縛りは無く仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、3句目の締切りを7月2日の20時とします。揮ってご投句ください。
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ソネット「花火船」(交叉韻) 2020.06.29起首
1 花火船屋号半分消えかかり 安庵(夏花)a
2 蕩児いまだに波乗に暮れ 光明(夏)b
3 (雑)a
4 (秋)b
5 (月)c
6 (秋恋)d
7 (恋)c
8 (冬恋)d
9 (冬)e
10 (新年)f
11 (雑)e
12 (春)f
13 (春)e
14 (春)f
皆様の発句
*泥田より生れて清しや蓮咲く 遥夢(夏)a
プール帰りの眼充血 光明(夏)b
プール開放日から帰る道すがらの景とみなしました。プールの水には消毒用の投入塩素が含まれ、それを十分に洗い流さず、目が充血したことを思い出しました。
*羅の裳裾に絡む甘雨かな 今日(夏)a
ふたりを隠す高き向日葵 光明(夏恋)b
「羅」が恋の句を呼び出しました。
*色褪せたアンダーライン書を曝す 芳(夏)a
ナンバー校の寮歌暑き日 光明(夏)b
曝書を季語とした発句ですが、貴重な書物に見つけたアンダーラインに物語が浮かびました。
*車窓より西日をありて頬の照る 閑坐(夏)a
着衣のままと気付く川浴び 光明(夏)b
発句は丈高くが基本ですが、詠まれた状況は物足りなさを覚えました。
*鶴頸にダリアいちりん奥座敷 すみれ(夏)a
百物語九十九話目 光明(夏)b
アンバランス感に怪談を取り合わしてみました。
*泣き止まぬ子は大の字に熱帯夜 炬燵猫(夏)a
水鉄砲は握られたまま 光明(夏)b
ぐずる幼子の手には水鉄砲を握らせてみました。
*青山椒砕く厨に充つ精気 ゆき(夏)a
柳川鍋の続く注文 光明(夏)b
香りだけで成立させた発句も珍しいですね。泥鰌で鄙の感じを出しました。
*花火船屋号半分消えかかり 安庵(夏花)a
蕩児いまだに波乗に暮れ 光明(夏)b
この句をいただきました。花火見物に仕立てられた屋形船の屋号そのものに、俳諧味を感じました。