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#55203
光明
ゲスト

インターネット連句
ソネット「花火船」(交叉韻)
7月4日
 皆様、おまたせしました。4句目は秋の短句を脚韻「くれ」でお詠みいただき、その皆様の付け句は13句にもなりました。
 その中から口語調を用いて四句目の、発句・脇句・第三の展開を軽く転じ切らせるという役目を果たされた、今日さんの「米搗き飛蝗早よ捕つとくれ」を採りました。虫嫌いの人が飛蝗に背中にでも止まられ、それに驚いて捕ってくれと叫んでいる様子が目に浮かびました。
 さて、5句目は月の句をお詠み下さい。脚韻はc韻の最初になりますので自由です。唯一の月の座ですから、充分に月を愛でていただけたらと思います。
 前回同様、歌仙式の縛りは無く仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。但し一句内なら可。
 それでは、5句目の締切りを7月6日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   ソネット「花火船」(交叉韻)   2020.06.29起首

1  花火船屋号半分消えかかり       安庵(夏花)a
2   蕩児いまだに波乗に暮れ       光明(夏)b
3  力学の基礎を学んだ発条秤     マリンバ(雑)a
4   米搗き飛蝗早よ捕つとくれ      今日(秋)b

5                       (月)c
6                       (秋恋)d
7                       (恋)c
8                       (冬恋)d

9                       (冬)e
10                      (新年)f
11                      (雑)e

12                      (春)f
13                      (春)e
14                      (春)f

皆様の付句
精霊舟に風立ち遅れ       しをん(秋)b
*発句に「船」が出ていましたね。下句の展開が縺れ気味に感じました。

仕込む馬肥ゆ雄姿見てくれ   マリンバ(秋)b
*言葉を無理にはめ込んだようなギクシャク感が残りました。

田守の翁指の節くれ        秋草(秋)b
*脇句の「蕩児」と「翁」が人物像の打越になりますね。

相撲草切れちよつとしよぼくれ  すみれ(秋)b
*「相撲草負けちょつとしょぼくれ」と、はっきりと勝ち負けを云ってもいいですね。「しょぼくれ」には惹かれます。

鰯売り終へ猫に端くれ       ゆき(秋)b
*「端くれ」が曖昧なので、具体的に「鰯売り終へ猫に二尾呉れ」としてもいいかな。

牡鹿が落す城の石塊        安庵(秋)b
*面白い景ですが、少し跳びすぎかとも思います。「城の石塊」が都合よく用意された感あり。

台風跡に積る石塊         遥夢(秋)b
*「台風跡」と「石塊」のバランスが取れません。言葉としては「土砂」が相応しいでしょう。「石塊」だけが積もることもあるかも知れませんが、その理由を求められますね。

砥草のせいか指のささくれ     小石(秋)b
*「木賊掻き分け/掻き分け」という詩のフレーズを思い出しました。「~のせいか」と言うのは理屈が立っているので、「砥草掻き分け指はささくれ」というのはいかがでしょう。

自然薯並べ落とす土塊        芳(秋)b
*自然薯を並べる段階で、「土塊」というかたまりがまだ付いているでしょうか、そこが気になりました。

虫の音のある小石端くれ      閑坐(秋)b
*「虫の音」と「小石端くれ」がうまく結び付きません。小石に虫が止っているということでしょうか。そのあとの「端くれ」はどう読めばと、迷います。

初めて涼し開く葉可久礼      日和(秋)b
*武士道を論じた「葉隠」を詠むのなら、「習ふ葉可久礼」と、もう少し意味を込めてみたほうがいいのですが、それ以前に四句目ぶりを求められるところでの「葉隠」は重たいですね。

米搗き飛蝗早よ捕つとくれ     今日(秋)b
*この句をいただきます。

雨に打たれて案山子しよぼくれ  炬燵猫(秋)b
*四句目振りが調った句ですが、残念ながら「案山子」が脇の「蕩児」と差し合う気がします。「案山子」と「蕩児」を入れ替えて「雨に打たれて蕩児しょぼくれ」と、読めてしまいますね。それと月の座の前に同じ天象の「雨」は遠慮したほうがいいですね。