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インターネット連句
ソネット「花火船」(交叉韻)
7月14日
皆様、おまたせしました。9句目です。脚韻自由で冬の句をお願いしたところ、9句ご投句いただきました。
ここまで、飛蝗以外の生類は出ていなかったのと、万葉集以来の伝統的季語を用いた、しをんさんの「あるときは夢のつづきか浮寝鳥」を採りました。但し、「あるとき」が抽象的なので、「今生は夢のつづきか浮寝鳥」と修正して、句意を明確にさせていただきます。今の世の中、夢であってくれたら、と思う事に包まれています。
次の10句目は新年の短句です。脚韻はf韻の最初になりますので、自由にお詠みください。
前回同様、歌仙式の縛りは無く仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。但し一句内なら可。
それでは、10句目の締切りを7月16日の20時とします。揮ってご投句ください。
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ソネット「花火船」(交叉韻) 2020.06.29起首
1 花火船屋号半分消えかかり 安庵(夏花)a
2 蕩児いまだに波乗に暮れ 光明(夏)b
3 力学の基礎を学んだ発条秤 マリンバ(雑)a
4 米搗き飛蝗早よ捕つとくれ 今日(秋)b
5 名月に草の戸そつと訪ね来て 秋草(月)c
6 思ひの丈を競ふコスモス 小石(秋恋)d
7 恋敵抜駆け無しといふ掟 メロン(恋)c
8 甘く切ない古日記燃す 芳(冬恋)d
9 今生は夢のつづきか浮寝鳥 しをん(冬)e
10 (新年)f
11 (雑)e
12 (春)f
13 (春)e
14 (春)f
皆様の付句
鉄瓶のつまみに木菟の畏まり マリンバ(冬)e
*鉄瓶のつまみが、ずく(みみずく)の姿を模しているのでしょうか。その場合には季語にはならないと思います。季節限定では無くなるからです。
街角に焼芋売りの声高く すみれ(冬)e
*「街角」に物足りなさを覚えます。意外性が期待されますね。
あるときは夢のつづきか浮寝鳥 しをん(冬)e
*この句を「今生は夢のつづきか浮寝鳥」と、やや形而上的な句にさせていただきました。
耳朶に膏薬厚く大師講 秋草(冬)e
*霜焼の耳朶への膏薬でしょうか、風雪の時期でもあり、釈教の句としてよくできていると思います。
手水舎の陰に狸の落とし物 遥夢(冬)e
*この「狸の落とし物」は多分、小判に変えるための木の葉だと私は思いますが、どうでしょう。いろいろと想像させる句になりました。
アラジンの石油ストーブ夜語り 安庵(冬)e
*「アラジン」は暖房器具のメーカー名ですが、魔法のランプを想像させるよう、効果的に使われました。「アラジンの石油ストーブ魔法めき」。
親方の雪吊美しく孤を描き 炬燵猫(冬)e
*採りたくなりましたが、吊るすという点から、三句目の「発条秤」との共通項が気になり出してしまいました。美しい絵柄が目に浮かびます。昔、金沢の兼六園で雪吊の作業を見たことがあります。
我に似て淋しき姿枯木立 今日(冬)e
*マイナス思考は連句的ではないと思います。連句は無限に言葉が繰り出されるものですから。「我に似て浮かぶ瀬もあれ枯木立」ですね。
オリオンに明け暮れの憂さ語りかけ ゆき(冬)e
*「オリオン」は5句目の「名月」から三句去りで、天象の去り嫌いはクリアーしていますが、それは歌仙以上の長い形式には有効であっても、ソネットのような短い形式では月が出て星も出して、ということにはならないですね。