炬燵猫さん、質問にお答えします。これは季移りの問題に関連しています。普通、ある季の句から他の季の句を詠もうとすると、間に雑（無季）の句を挟みワンクッション置いてから転じます。それ以外でも、そのワンクッションを挟まずに、直接別の季に転じることを「季移り」と言います。その季移りには、例えば夏から秋への二季移り、夏から冬への三季移りがあります。因みに夏から春へも季戻りに関係なく可能です。
さて、そこで、今回の冬の季語から晩冬を外すという処置ですが、１０句目に新年を入れる設定にしていることが原因です。通常は他の形式でも、新年の句を詠む機会が設けられていないことが多いので、私はできるだけ新年の句を見出そうとしています。
その際、間に雑の句を挟めばいつでも新年の句を詠む条件は整いますが、よりスムーズに新年の句を詠もうと思いついた結果、冬季は１１月７日頃から２月３日頃の間であると共に、その間の晩冬に当たる１月が新年であるという二重構造になっていることから、新年をスムーズに詠むには晩冬に続けて詠むよりも、その前の仲冬の後に詠む方が、新年を含んだ冬季の流れとしてスムーズな展開になるという、それが、晩冬ではなくて仲冬か三冬の季語を指定する理由です。
