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インターネット連句
重伍・二十五句「一輪の紅」 ２０句目
９月５日
皆様、おまたせしました。２０句目は夏の短句になります。９句が集まりました。さりげない夏の句といえるでしょうか、小石さんの「裸足に痛き人工の芝」を採りました。足裏健康法か、とも思えますが、私はプールサイド小景と見ました。
次は２１句目、雑の句を「Go」音字を１字入れてお詠み下さい。
今回の「重伍」形式、表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、２１句目の締切りを９月７日の２０時とします。揮ってご投句ください。９月に入って奇数日になりましたので、お間違いなく。
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重伍・二十五句「一輪の紅」 2020.08.01起首
1 初萩の一輪の紅愛しむかな メロン（秋）
2 夢路抜け出し潜む邯鄲 光明（秋）
3 名月に稚児は上手に正座して すみれ（月）「児」
4 将棋教室賑はひを見せ 芳（雑）
5 評判の御膳汁粉を注文す ゆき（雑）「御」
6 村に伝はるかつぱ伝説 遥夢（雑）
7 淋しさはいづこへ剥かむ冬林檎 しをん（冬）「檎」
8 誰が編んだか彼のセーター 秋草（冬恋）
9 語塞がり涙ながるるプロポーズ 安庵（恋）「語」
10 壕の入り口未来受け入れ 今日（恋）
11 田遊びの振舞酒でご機嫌に 遥夢（新年）「ご」
12 大間のマグロ今年競り勝つ 芳（新年）
13 鐘の音を遠くに聞いて術後の夜 安庵（雑）「後」
14 思ひがけない春の雪降る すみれ（春）
15 門付けの瞽女の挿したる藪つばき ゆき（春）「瞽」
16 木の芽峠を越えし蝶々 しをん（春）
17 消しゴムで作る落款旅便り 秋草（雑）「ゴ」
18 まだ覚えてる校歌ハミング 小石（雑）
19 五十階ペントハウスの月涼し 炬燵猫（夏月）「五」
20 裸足に痛き人工の芝 小石（夏）
21 （雑）「Go」音字
22 （雑）
23 （花）「Go」音字
24 （春）
25 （春）「Go」音字
皆様の付句
裸で過ごす日がないち日 安庵（夏）
＊季語が「裸」で、「ペントハウス」からの連想として納得できます。最上階なので隣近所から見られることが無いからですね。それ以外でも、結構自宅では裸で過ごすという方は居るようですね。マツコ・デラックスさんもそういう発言をしていたように思います。
ウーバーイーツショートパンツで しをん（夏）
＊「ウーバーイーツ」が今どきですね。因みに我が徳島にはまだ存在しません。都会ならではの光景ですね。猛暑に対する応えの「ショートパンツ」には、納得させられます。
汗をふきふき貯筋運動 ゆき（夏）
＊筋肉を貯めると言う意味だと思える造語の「貯筋」が、「貯金」の洒落として俳諧の王道を行っています。でも、具体的にどんな運動なんでしょうか、興味深いですね。
心太には海の記憶が 遥夢（夏）
＊ジャン・コクトーの詩「耳」の、「私の耳は貝のから／海の響をなつかしむ」に匹敵する、「心太」の内包する「海の記憶」がとても詩的ですね。残念なのは「記憶」が打越の「覚えてる」と差合いになるという点です。
母の残した藍浴衣着る すみれ（夏）
＊徳島は藍の産地として知られており、全国知事会会長である我が県知事は、藍染めのマスクを着けて宣伝に努めています。「藍浴衣」も長持ちするもので、「母の遺した」とすることで、より句意も深まると思います。
裸足に痛き人工の芝 小石（夏）
＊この句をいただきます。
青嶺仰ぎて祈る息災 秋草（夏）
＊この「息災」は新型コロナ蔓延に対する、いわば消滅への祈りだと思います。さりげなさの中に、コロナ禍の現状が浮かび上がりました。
胡瓜数ヘて家庭菜園 芳（夏）
＊数えているだけではなく、「胡瓜齧れる家庭菜園」や「しよぼくれ胡瓜家庭菜園」、あるいは「家庭菜園胡瓜盗まれ」とか、もっと「家庭菜園」の面白さを描くことをお勧めします。
停電すればお化け屋敷さ 今日（夏）
＊発想は面白く私も支持しますが、「屋敷」が前句の「ペントハウス」にべた付きなのが、難だと言えますね。