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インターネット連句
鳳蝶「仏蘭西の友」
10月9日
皆様、お待たせしました。連句辞典には「五句目」という項目もあり、その解説の中で「軽く仕立てられた前句(四句目)を受けて自由に想像の世界に発展させられる最初の句である。したがって、型苦しく端座していた肩の凝りを解きほぐすように、片や首や腕を正座したまま動かすような句が要求されるのである」と記されています。
その右5句目ですが、まさに上記の求めに応じてくれたのが、しをんさんの「あやとりの川がたちまち山となり」の句です。想像力を試されるような綾取りの作り出す山や川は「肩の凝り」をほぐしてくれました。
次の右6句目は夏の短句をお詠み下さい。
今回の形式「鳳蝶」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、右6句目の締切りを10月11日の20時とします。揮ってご投句ください。
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鳳蝶「仏蘭西の友」 2020.10.02起首
右 名月や声懐かしき長電話 芳(月)
葡萄酒醸す仏蘭西の友 光明(秋)
蔦紅葉城壁朱く彩りて 秋草(秋)
眼鏡はづして合はすフォーカス 小石(雑)
あやとりの川がたちまち山となり しをん(雑)
(夏)
(夏)
(雑)
中 (雑)
(恋)
(恋)
(恋)
左 (冬)
(冬)
(雑)
(新年)
(雑)
(春)
(花)
(春)
皆様の付句
あやとりの川がたちまち山となり しをん(雑)
*この句をいただきます。
心臓の鼓動高まる宝くじ 芳(雑)
*「心臓の鼓動高まる」のは勿論当選番号の発表の時でしょうが、そのように想像させようとする無理強い感を少し感じました。それは「心臓の鼓動高まる」との大仰な表現がそうさせるのかもしれませんね。
半島のトレイル誘ふパンフ来る 秋草(雑)
*ここでの「半島」の把握の仕方が読者に委ねられ過ぎのように思います。「半島」の認識への範囲が広すぎるからでしょうか、読む人によって「半島」の意味するものが違ってきますね。
運転の免許更新迫り来る メロン(雑)
*私もこの夏に免許証の更新に行きましたが、いつも視力検査には気を使います。強度の近視なので、眼鏡を掛けていても検査のその瞬間、基準内で見えるかどうか不安になります。三年後はこれに加えて高齢者の適正検査も加わるようで、まさにメロンさんの「免許更新迫り来る」感がよく分かります。
似顔絵の祖父はお洒落なベレー帽 遥夢(雑)
*「祖父はお洒落なベレー帽」が脇句の「仏蘭西の友」と、洋風な感じの大打越になりますね。
暇つぶしバトルシップに夢をのせ 閑坐(雑)
*この「バトルシップ」はどういうものなのか、よく分かりません。「海戦ゲーム」と思いたいのですが、私は今どきのゲームをしたことがありませんので、「夢をのせ」るほどの濃密なゲームだけど「暇つぶし」でしかないという、二律背反的な表現に戸惑っています。
近所では親分肌と噂され すみれ(雑)
*「親分肌」は面白いのですが、その対象と少し距離感を保ちすぎというか、客観的というか物足りなさを覚えます。「近所では」を変えてみればどうでしょう。「いまもなほ親分肌と噂され」とすれば、地図上ではなく時間の流れに変化させることができますね。
朝刊をバサリと開く父の背(せな) 炬燵猫(雑)
*連想の流れとしては、前句から自然な転じが行われていると思います。「朝刊をバサリと開く」から、西東三鬼の「水枕ガバリと寒い海がある」を思いました。