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#586 返信

雀羅

■表には出せないもの(発句を除く)として「神祇・釈教・恋・無常・述懐・懐旧・地名・人名・殺伐なこと(戦争・人を殺す・斬る・縛るなど)・病態・三季移り・三句続きの数字など」と東明雅先生は『十七季』の連句概説で整理しておられますが、「老体」はどうなどか・・という疑問もよく出されます。こういう疑問が湧くということ自体、「老い」というものの一筋縄ではいかない根の深さがある気がします。

連句の式目の元になっているは連歌式目ですが、その中に『産衣(うぶぎぬ)』という有名な連歌学書があり、「老い」について、「只一、鳥、木などに一、以上二也。○異本 老、述懐也。鳥の老非人倫と云々」とあります。くだいて言えば、「老いは百韻でも一回しか出さない。老鴬とか老木という形で鳥や木にむすべばそれも数に加えていい。老いを述懐とする説もある。鳥の老いたのは人倫にはならない」となります。

先に書きましたように、「老い」は「述懐」の中で詠まれやすく、そうなると表では勿論詠めませんが、表でも排除されない「老い」もあるのではないか、そんなことも考えていいと思います。これからは4人に1人が高齢者になる世の中ですから、表で老いは詠めないと決めてしまうと、高齢者の身の置きどころがなくなってしまいます。

「老い」は『嫌がらせの年齢』(丹羽文雄)の主人公のような人もいれば、そうではない人も勿論多いです。世間の画一主義に染まらないアタマのやわらかい人は後者で、連句の出来る高齢者はそうだと私は思います。