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インターネット連句
本宝塚「雪螢」の巻
12月19日
皆様おまたせしました。星の連の四句目は夏恋の句に、「星」字を詠み込んでいただき、都合11句の候補句が集まりました。
「星」を詠み込むということから、「図星」と「星の子」の2句以外のすべての句が、星そのものを愛しい人と見上げる動きを、キーワードにした内容になりました。
その中からゆきさんの、「夏星のひとつ二人の星と決め」を採りました。まさに想像する宇宙を、二人で共有するという浪漫と愛に満ちた句になりました。
星の連の五句目は、恋の短句をお詠み下さい。
「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。
それでは、星の連五句目の締切りを12月21日の20時とします。揮ってご投句ください。
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本宝塚「雪螢」 2020.12.01起首
雪の連
行く先を風に任せて雪蛍 芳(冬) 雪
紫キャベツサラダ彩り 光明(冬)
君笑めば凍てる心も溶くるらん 遥夢(冬恋)
在宅ワーク募る逢ひたさ 炬燵猫(恋)
センサーで手水オン・オフ初社 日和(新年)
毬杖打ちの村は賑はひ マリンバ(新年)
笛太鼓東京音頭繰返し 晋山(雑)
星の連
とんび輪を描く原つぱの上 秋草(雑)
日焼した顔も晴れやかバイク旅 すみれ(夏)
負けん気を出すラムネ早飲み 芳(夏)
夏星のひとつ二人の星と決め ゆき(夏恋) 星
(恋)
(恋)
(雑)
月の連
(秋)
皆様の付句
永久の愛誓ふ二人に星涼し 遥夢(夏恋) 星
*お熱い関係の二人を冷静にさせるかのような「星涼し」が、現実的で効果のある句になりました。
星涼し君のかひなに触れもせで 揺子(夏恋) 星
*恋愛未満という情況を見守っている夏の星の輝きが、より悔いを感じさせることになりました。
夏星のひとつ二人の星と決め ゆき(夏恋) 星
*この句をいただきました。
夏の浜秘めた思ひを星に告げ すみれ(夏恋) 星
*「星に告げ」てることにして、実際は現実の相手に思いを告げているというメタファー(隠喩)が、夜の浜辺の緊張感を伝えています。
夏浪漫牽牛星が繰り広げ 日和(夏恋) 星
*「夏」と「牽牛星」(秋)の季重なりになりました。この場合は季語同士が反発しあいますね。
好きなのね図星つかれた夕涼み 遊子(夏恋) 星
*さりげない恋の句になりました。「図星」が効果的でもあり、物足りなさもありというところです。
接吻で野外劇果て星涼し しをん(夏恋) 星
*恋愛劇のラストシーンの感動を、空に輝く夏の星がさらに満ちたりたものにしてくれるという仕立て方は、とてもいいですね。
涼み舟相席嬉し星探し 晋山(夏恋) 星
*上句と中句に対して「星深し」が取って付けた感があります。それと、「相席嬉し」だけでは、恋句としてはやや弱い印象がありますね。
縁涼み星結ぶ指しなやかに 芳(夏恋) 星
*「星結ぶ」は星座をなぞっているのでしょうね。と取れば恋句としての働きをどこに読めばいいのでしょう。思い人の指のしなやかな動きと、取るのには少し無理があるように思います。ここからが恋の始まりという読みはできますが。
星の子のふたり跣足で縺れ合ふ 炬燵猫(夏恋) 星
*「星の子」も喩えとして理解するべきでしょうが、「星の子」と「跣足」と「縺れ合ふ」の結合に、なにか違和感を覚えてしまうのはどうしたことでしょう。やや恋の現実感が乏しい句の仕立てになっているというのが、正直な思いです。
さそり座は私の星と言ひし君 秋草(夏恋) 星
*「さそり座」という星は無いわけで、その中心のアンタレスが赤く輝き、ギリシア神話の女神ヘラが、サソリを放ってオリオンを刺し殺させたことから、女神ヘラの怖さが、女性の嫉妬心に結びついて「さそり座」のイメージになっているようです。恋句として「私の星と言ひし君」への思いがどうなのか、いまひとつ判明しないもどかしさを覚えます。