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インターネット連句
本宝塚「雪螢」の巻
12月21日
皆様おまたせしました。星の連の五句目は恋の句です。9句の候補句が寄せられました。恋の句と言うことから、「指環」「共に歩む」「熱きささやき」「ガラスの靴」「愛の言葉」「唇」「呼び交す」「恋の有様」という、恋愛のキーワードを詠み込むことで、それぞれの恋句に仕立てられています。但し一句だけその括りから外れた句がありました。メロンさんの「季の移ろひに歩み揃はず」です。恋する二人の感性は、基本的には別々であることを肯定するところから、二人の関係性を描き出した変化球的な恋句になりました。
星の連の六句目も恋句です。長句でお詠み下さい。
「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。
それでは、星の連六句目の締切りを12月23日の20時とします。揮ってご投句ください。
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本宝塚「雪螢」 2020.12.01起首
雪の連
行く先を風に任せて雪蛍 芳(冬) 雪
紫キャベツサラダ彩り 光明(冬)
君笑めば凍てる心も溶くるらん 遥夢(冬恋)
在宅ワーク募る逢ひたさ 炬燵猫(恋)
センサーで手水オン・オフ初社 日和(新年)
毬杖打ちの村は賑はひ マリンバ(新年)
笛太鼓東京音頭繰返し 晋山(雑)
星の連
とんび輪を描く原つぱの上 秋草(雑)
日焼した顔も晴れやかバイク旅 すみれ(夏)
負けん気を出すラムネ早飲み 芳(夏)
夏星のひとつ二人の星と決め ゆき(夏恋) 星
季の移ろひに歩み揃はず メロン(恋)
(恋)
(雑)
月の連
(秋)
皆様の付句
真珠の指環べにさし指に 遊子(恋)
*順調な恋を示唆する句になりました。人物像の含みも計算され、その背景を想像させます。
共に歩まん苦難ありとも 遥夢(恋)
*結婚式の誓いの言葉で仕立てました。二人の人生のスタートでの最初の約束、重い物があります。
耳をくすぐる熱きささやき すみれ(恋)
*口説き文句が聞こえてきますね。生々しさをさりげなく詠みました。
ガラスの靴の片方はここ 芳(恋)
*シンデレイラの物語を本歌取りにした、洒落た恋句です。
愛の言葉を偲ぶよすがに 秋草(恋)
*言葉は言霊として残り続けるのですね。偲び続けるのにもエネルギーを要しますから。
白きうなじに寄せる唇 揺子(恋)
*やや濃厚な恋句になりました。シチュエーションに既視感を覚えます。
夢の中でも呼び交し合ひ しをん(恋)
*覚めている時の熱い思いは、当然ながら夢にも作用するでしょうね。
季の移ろひに歩み揃はず メロン(恋)
*この句をいただきます。
恋の有様不易流行 晋山(恋)
*「恋の有様」が「不易流行」であると、作者が断じたところから、この句は読み解かれなければならないのでしょうが、正直分かりません。「不易流行」は芭蕉の用いた俳諧用語であり、それは「永遠性」と「その時々の新風」を意味し、根本に置いては同一であるということですね。それをこの句に被せて読めば、分からないでもないのですが、それがどうした、という思いも湧いてきます。「不易流行」という四字熟語に頼りすぎたことが、この句を弱めているとも言えますね。