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#63209
光明
ゲスト

インターネット連句
 本宝塚「雪螢」の巻
12月21日
 皆様おまたせしました。星の連の五句目は恋の句です。9句の候補句が寄せられました。恋の句と言うことから、「指環」「共に歩む」「熱きささやき」「ガラスの靴」「愛の言葉」「唇」「呼び交す」「恋の有様」という、恋愛のキーワードを詠み込むことで、それぞれの恋句に仕立てられています。但し一句だけその括りから外れた句がありました。メロンさんの「季の移ろひに歩み揃はず」です。恋する二人の感性は、基本的には別々であることを肯定するところから、二人の関係性を描き出した変化球的な恋句になりました。

 星の連の六句目も恋句です。長句でお詠み下さい。

 「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。

 それでは、星の連六句目の締切りを12月23日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   本宝塚「雪螢」    2020.12.01起首
雪の連
  行く先を風に任せて雪蛍          芳(冬)  雪
   紫キャベツサラダ彩り         光明(冬)
  君笑めば凍てる心も溶くるらん      遥夢(冬恋)
   在宅ワーク募る逢ひたさ       炬燵猫(恋)
  センサーで手水オン・オフ初社      日和(新年)
   毬杖打ちの村は賑はひ       マリンバ(新年)
  笛太鼓東京音頭繰返し          晋山(雑)
星の連
   とんび輪を描く原つぱの上       秋草(雑)
  日焼した顔も晴れやかバイク旅     すみれ(夏)
   負けん気を出すラムネ早飲み       芳(夏)
  夏星のひとつ二人の星と決め       ゆき(夏恋) 星
   季の移ろひに歩み揃はず       メロン(恋)
                        (恋)
                        (雑)
月の連
                        (秋)

皆様の付句
真珠の指環べにさし指に       遊子(恋)
*順調な恋を示唆する句になりました。人物像の含みも計算され、その背景を想像させます。

共に歩まん苦難ありとも       遥夢(恋)
*結婚式の誓いの言葉で仕立てました。二人の人生のスタートでの最初の約束、重い物があります。

耳をくすぐる熱きささやき     すみれ(恋)
*口説き文句が聞こえてきますね。生々しさをさりげなく詠みました。

ガラスの靴の片方はここ        芳(恋)
*シンデレイラの物語を本歌取りにした、洒落た恋句です。

愛の言葉を偲ぶよすがに       秋草(恋)
*言葉は言霊として残り続けるのですね。偲び続けるのにもエネルギーを要しますから。

白きうなじに寄せる唇        揺子(恋)
*やや濃厚な恋句になりました。シチュエーションに既視感を覚えます。

夢の中でも呼び交し合ひ      しをん(恋)
*覚めている時の熱い思いは、当然ながら夢にも作用するでしょうね。

季の移ろひに歩み揃はず      メロン(恋)
*この句をいただきます。

恋の有様不易流行          晋山(恋)
*「恋の有様」が「不易流行」であると、作者が断じたところから、この句は読み解かれなければならないのでしょうが、正直分かりません。「不易流行」は芭蕉の用いた俳諧用語であり、それは「永遠性」と「その時々の新風」を意味し、根本に置いては同一であるということですね。それをこの句に被せて読めば、分からないでもないのですが、それがどうした、という思いも湧いてきます。「不易流行」という四字熟語に頼りすぎたことが、この句を弱めているとも言えますね。