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インターネット連句
本宝塚「雪螢」の巻
12月25日
皆様おまたせしました。星の連の七句目は雑の短句で、候補句は8句寄せていただきました。
前句の「チマチョゴリ」に対する反応について、どのようになるのかとても興味深いものがありました。直截な韓国繋がりになるのか、あるいはすぐに離れる句を付けるのか、正直なところを言えば、私は「チマチョゴリ」は一句で捨てることが、より「チマチョゴリ」の存在感が揺るぎないものになるので、新たな展開に進むことも可とする思いがありました。
しかし結論は、意外性をそのまま引きずるよりは、緩衝材とも言える句を挟む方が付け合いの流れが好くなると思い、韓国繋がりそのものであるしをんさんの句、「済州島(チェジュ)の浜辺で探す貝殻」を採りました。
次の月の連一句目は、雑の長句をお詠み下さい。
「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。
それでは、月の連一句目の締切りを12月27日の20時とします。揮ってご投句ください。
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本宝塚「雪螢」 2020.12.01起首
雪の連
行く先を風に任せて雪蛍 芳(冬) 雪
紫キャベツサラダ彩り 光明(冬)
君笑めば凍てる心も溶くるらん 遥夢(冬恋)
在宅ワーク募る逢ひたさ 炬燵猫(恋)
センサーで手水オン・オフ初社 日和(新年)
毬杖打ちの村は賑はひ マリンバ(新年)
笛太鼓東京音頭繰返し 晋山(雑)
星の連
とんび輪を描く原つぱの上 秋草(雑)
日焼した顔も晴れやかバイク旅 すみれ(夏)
負けん気を出すラムネ早飲み 芳(夏)
夏星のひとつ二人の星と決め ゆき(夏恋) 星
季の移ろひに歩み揃はず メロン(恋)
白無垢のお色直しはチマチョゴリ 芳(恋)
済州島(チェジュ)の浜辺で探す貝殻 しをん(雑)
月の連
(雑)
(秋)
(月) 月
(秋)
(秋恋)
(恋)
(雑)
皆様の付句
坊守さんはバイリンガルで 遊子(雑)
*この句も採りたくなりましたが、「チマチョゴリ」と「坊守」の付け合いはリアル感満点なんです。徳島にある八十八カ所巡りの札所の坊守になられた方が、韓国人で韓国舞踊の名人でもあった女性でした。住職と国境を越えた恋愛の果てに結ばれたということで、とてもドラマチックな事実がその後も続きます。
済州島(チェジュ)の浜辺で探す貝殻 しをん(雑)
*この句をいただきました。
留学生は夢を追ひかけ すみれ(雑)
*「留学生」は置きに来た感が強いように思います。前句の人物像とも言えるからです。でも視点を変えて「留学生の学ぶ修復」とすればどうでしょう。
オモニ譲りで肌理はこまかく 遥夢(雑)
*人物そのものを句にされましたね。ミクロの視点が強すぎるように思います。
修復された古い映像 芳(雑)
*この句は転じる要素を強く感じました。とはいえ、「修復」は暗示的ですね。
寝台列車で越える国境 炬燵猫(雑)
*国境を越える鉄道は「オリエント急行」を思い浮かべますが、「満鉄」や「シベリア鉄道」もありますね。どの鉄道にも適用できるドラマを内包した句です。
夢を抱いて子渡米せり 晋山(雑)
*推敲すれば「渡米の我が子夢を抱いて」か「我が子は夢を抱いて渡米す」でしょうか。できるだけ句の流れを良くしましょう。舌頭千転です。
イムジン河を母は越え来て ゆき(雑)
*フォークルの歌を思い出しました。句意が前句の背景となるという点に説明感を覚えます。それは前句との一体感があり過ぎとも言えますね。