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#65749
光明
ゲスト

インターネット連句
 六条院「核の終り」の巻
3月20日
 皆様お待たせしました。
 冬邸の2句目は冬か冬恋の短句をお願いしましたところ、冬の句が3句、冬恋の句は4句付けていただきました。前句の読みから付けを冬季だけの句とするか、あるいは前句に恋句の萌芽を読み取り冬恋とするか、それぞれのご判断に委ねた座の進行に興を覚えます。
 その結果、芳さんの句「嚏の顔を見られ消えたい」を、より恋句の趣きを出すために「嚏の顔を見られ消え入る」と修正して採りました。

 冬邸3句目は冬月恋の句をお詠み下さい。

 「六条院」形式には表・裏はありませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。

 冬邸3句目の締切りを3月22日の20時とします。引き続き揮ってご投句ください。

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   六条院「核の終り」    2021.02.12起首

春邸 春兆す核の終りの始まれり      ゆき(春)
    麦を踏むのも父と暮らせば     光明(春)
   弾き語る路上ライブの朧月       芳(春月)
    不意の接吻雪解の庭       炬燵猫(春恋)
   白無垢の肩を彩る飛花ひとつ     遥夢(花恋)
    晩のおかずはいつもコロッケ    秋草(雑)

夏邸 ポパイ見て身近になりぬアメリカン  晋山(雑)
    国境越へて添へる日を待つ    メロン(恋)
   馴初めも別れもネット司り      揺子(恋)
    躊躇ひがちに潜る青蚊帳      秋草(夏恋)
   月照らす小さき金魚の小さき背   炬燵猫(夏月)
    水鉄砲は的を外して       しをん(夏)

秋邸 宝くじ願ひをこめて神棚へ     メロン(雑)
    惚れる薬と知つて飲み干す      芳(恋)
   久びさの逢瀬を満たす今年酒    しをん(秋恋)
    去り行く足音(あのと)潤む月影  遥夢(月恋)
   菊供養ちよつと一服ほつこりと    縁糸(秋)
    盲導犬は仕事中です       炬燵猫(雑)

冬邸 映画館出れば夢から現実へ      秋草(雑)
    嚏の顔を見られ消え入る       芳(冬恋)
                       (冬月恋)
                       (冬恋)
                       (新年)
                       (新年)

皆様の付句
マスクで隠す皺や雀斑       炬燵猫(冬)
*いまや「マスク」は冬の季語という括りでは収まらない状況ですが、隠すものは変わりが無いようですね。正攻法では使いにくい季語になりました。

彼がサンタのクリスマスイプ     縁糸(冬恋)
*「サンタの彼と聖夜楽しむ」とすれば、より恋句になります。

きみ命てふタトゥ冬至風呂      揺子(冬恋)
*字余りながら、やや言葉足らずの恋句になりました。「冬至湯に浮く粋な彫り物」と噛み砕いた表現に。

ブルーシートの浮かぶ夜焚火     遥夢(冬)
*各地のこれまでの被災地で見られた、まさに「現実」の光景ですね。「ブルーシート」の象徴性が際立ちます。

嚏の顔を見られ消えたい        芳(冬恋)
*この句を「嚏の顔を見られ消え入る」と修正していただきます。

家まで送り借りたマフラー      日和(冬)
*要は「彼女がしてたマフラーを借り」でしょうね。

木守柿にはなるなよと言ふ      秋草(冬恋)
*前句を踏まえた戒めの句になりましたが、恋が見当たらないようです。