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#66854
光明
ゲスト

丁太さん、ようこそ。

 「伊予の湯桁」形式は芭蕉の高弟である其角が最初に興行、つまり創案した形式です、別所真紀子氏の記するとこ

ろによると、「伊予の湯桁」は宝永二年の朝曳編『浪の手集』にあるもので、「スベテ三十三アリ唯多キコトヲ云ル

ニヤ是ヲ号トス」と前書があって発句は雑の句だそうです。

 この「三十三」が句数を意味しており、この数字の根拠としては源氏物語にも所縁があるようで、その注釈書のひ

とつである一条兼良の『花鳥余情』の中で、「六花集に古歌とていだせり」と指摘する歌に「伊予の湯の湯桁の数は

左八つ右は九つ中は十六」というのがあり、そこに伊予の湯桁の数が三十三であったと歌われており、其角はこの数

に目を付けて、俳諧の形式に取り入れたものと思われます。

 別所さん主宰の連句誌「解纜」掲載の伊予の湯桁作品は、古歌に因んで表八句、中十六、裏九句の合計三十三句形

式で巻かれています。

 今回の興行に於いてもこの句数と、二花・三月の配置に倣って進めて参ります。

以上が、形式と今回の興行上の説明になります。