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インターネット連句
伊予の湯桁「琴の会」の巻
5月26日
お待たせしました。中での最後の恋句になる五句目です。様々な恋句が9句集まりました。元より人情句である恋句、どの句も男女の心の縺れ合いがたっぷりと描かれました。
その中から、松本清張風の黒のイメージを生かした、遊子さんの「媾曳の浜辺に寄せる黒い波」を採りました。清純な恋とはほど遠い、ドロドロ感たっぷりな恋句もあっていいと思います。
中六句目は冬の短句をお詠み下さい。月前の句になります。
基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。
中六句目の締切りを28日の20時とします。揮ってご投句ください。
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伊予の湯桁「琴の会」 2021.05.04起首
左 初袷たをやかに座す琴の会 メロン(夏)
風の調べに揺るる葉桜 光明(夏)
夏燕空を自在に遊ぶらん 遥夢(夏)
仕事帰りにフィットネスジム 炬燵猫(雑)
金色の手作りジャムを購うて 秋草(雑)
路面電車が見せる町並み 芳(雑)
月中天魚も眠る水族館 ゆき(月)
お独りさまの集ひ夜長に しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し 芳(秋)
のそりと歩く若冲の象 炬燵猫(雑)
ほの一字背(そびら)になぞり頬を染め 今日(恋)
疑惑の後妻じつは世話焼き 日和(恋)
媾曳の浜辺に寄せる黒い波 遊子(恋)
(冬)
(冬月)
(冬)
(雑)
(新年)
(新年花)
皆様の付句
年上の情の深さに絆されて 縁糸(恋)
*前句の「後妻」の年齢上の人物像の説明だけで、転じが出来ていないのが気になります。
わりなきは夫婦心中姑(はは)ゆゑに しをん(恋)
*岸恵子の本のタイトルの「わりなき恋」をふと思いました。「恋」なら分かりますが、夫婦心中自体が、すでにわりなきことなのではないでしょうか。心中の具体的なディテールとして、姑を含む三角関係とも読めてしまう曖昧さが気になります。
媾曳の浜辺に寄せる黒い波 遊子(恋)
*この句をいただきます。
住職の説教賑はふ男振り ゆき(恋)
*瀬戸内寂聴さんをイメージします。人物描写に重きを置いており、恋句としては弱いですね。
ハート型散りばめてあるお弁当 芳(恋)
*物を効果的に用いる恋の表現は支持しますが、畢竟、ステレオタイプな表現に終わってしまい易い点に、特に注意する必要があると思います。
焼きもちも可愛いものと余裕見せ 遥夢(恋)
*誰が「余裕を見せ」ているのか、焼かせた人物なのか、すぐには判断できませんでした。どういった「余裕」なのかも、分かり難さの要因になっていますね。
かりそめの手枕と知り泣き明かす 秋草(恋)
*「手枕」には元々、仮初のものという含みがあると思います。でも、うぶな人には分からなかったんでしょうね。
忘れてた過去の恋文整然と 甚碌(恋)
*「整然と」とは、どういうシチュエーションなのか分からない点が、読みを深めさせない障害になっています。「忘れてた過去の恋文披露され」「忘れてた過去の恋文眼前に」とすれば、状況が目に浮かびますね。
密を避け縁切寺へ駆け込めば 炬燵猫(恋)
*「縁切寺」は面白いのですが、今どきの「密」を使えば句が軽くなってしまいますね。