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#67894
光明
ゲスト

インターネット連句
 伊予の湯桁「琴の会」の巻
7月2日
 お待たせしました。右七句目は花の句をお願いし、9句お詠みいただきました。一巻のなかでも特に大切にされてきたのが、春の花の句ということもあって、9句それぞれが読み応えのある花の句になったと思います。
 その中から、泰然自若とした花の姿を詠まれた、日和さんの「山裾に懐深き花大樹」を採りました。

 右八句目は春の短句をお詠み下さい。通常はここが挙句の場所になるところですが、もう一句長句が最期に求められます。無季になります。私の考えではどちらの句も挙句に求められる、後を引かぬようにあっさりとめでたく付ける、を行っていただければ結構かと思っています。
 残り2句となりました。

 基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。月・花以外は一語一会とします。

 右八句目の締切りを7月4日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   伊予の湯桁「琴の会」   2021.05.04起首

左 初袷たをやかに座す琴の会      メロン(夏)
   風の調べに揺るる葉桜        光明(夏)
  夏燕空を自在に遊ぶらん        遥夢(夏)
   仕事帰りにフィットネスジム    炬燵猫(雑)
  金色の手作りジャムを購うて      秋草(雑)
   路面電車が見せる町並み        芳(雑)
  月中天魚も眠る水族館         ゆき(月)
   お独りさまの集ひ夜長に      しをん(秋)
中 地芝居の台詞合はせは白熱し       芳(秋)
   のそりと歩く若冲の象       炬燵猫(雑)
  ほの一字背(そびら)になぞり頬を染め 今日(恋)
   疑惑の後妻じつは世話焼き      日和(恋)
  媾曳の浜辺に寄せる黒い波       遊子(恋)
   寝酒の友に誘ふあやかし       秋草(冬)
  浄土にも有りや冬月ちちははよ    しをん(冬月)
   柚子湯の柚子をギュッと抱きしめ  炬燵猫(冬)
  定跡を踏まへた上の詰将棋       日和(雑)
   蓬莱飾る京の常宿          遊子(新年)
  花の春夢は果てなく膨らみぬ     メロン(新年花)
   全快近し主治医告げ来て       ゆき(雑)
  キスマーク嬉し恥づかし戻り道     遥夢(恋)
   太くて赤い糸を離さず        遊子(恋)
  モダンジャズ流れる床屋月覗く    炬燵猫(月)
   夕餉の膳に香る栗飯         ゆき(秋)
右 またたびを家苞にして猫の旅      遥夢(秋)
   足引つかかる破れジーンズ      秋草(雑)
  梅雨晴の物干し竿は満員に        芳(夏)
   ラムネ飲みつつビッグ・バン思ふ   揺子(夏)
  笑はせるアインシュタインあつかんべ  遊子(雑)
   幼きものら陽炎を追ひ       しをん(春)
  山裾に懐深き花大樹          日和(花)
                       (春)
                       (雑)

皆様の付句
翁でも媼でもあり花筵        しをん(花)
*句は興味深いのですが、「翁」が打越の「アインシュタイン」と差し合いますね。

舞ひあがる花を探して遠廻り      甚碌(花)
*「舞い上がる花」のイメージが湧きません。さらに「遠廻り」する理由も腑に落ちないですね。「風に舞ふ花に魅かれて遠回り」としましょう。

くねりつつ大海へ入る花堤       遊子(花)
*壮大な花の帯が目に浮かびます。広重の浮世絵にあるような場面ですね。

篝火に浮かぶ舞台の飛花落花      遥夢(花)
*「台」字が既出でしたね。「地芝居」も出ています。それと「夜能」は夏季になるので、花の時期と組合す公演があるのかどうか疑問ですね。

山裾に懐深き花大樹          日和(花)
*この句をいただきました。

花の枝かざし行く畦さんざめき     揺子(花)
*浮かれ人の起す騒動でもあったのでしょうか。狭い畦道から田圃にでも落ちたりして。蕪村の絵を想いました。

谷川は花筏乗せ何処までも       ゆき(花)
*挙句までもう少しのところということを考慮して、穏やかに付け進むには「谷川」はやや急峻な気がします。

眼閉ぢ深呼吸せむ花のもと       秋草(花)
*花に包まれる儀式、いわゆるルーティンに拘ることで、花と一体になれるのでしょうね。

千年の記憶を纏ふ花大樹       炬燵猫(花)
*この句も壮大でいいのですが、如何せん「ビッグ・バン」へ遡る時間には負けますね。