返信先: インターネット連句を始めます。

ホーム フォーラム インターネット連句 Vol.1 インターネット連句を始めます。 返信先: インターネット連句を始めます。

#69266
光明
ゲスト

インターネット連句
 十三仏行「爆心地」の巻
9月11日
 ウ七句目は春の短句をお願いしましたところ、9句の候補句が寄せられました。その中の1句、遊子さんの「観潮船は渦に順服」の句が、ここまで出ていなかった乗物を詠まれており、さらに前句のお遍路に所縁のある鳴門の渦潮、その観潮船であるということから採りました。「逆打ち」に「順服」と、即かず離れずの付け合いになっています。
 観潮船は実際には一年中運航していますが、春の季語とされたのは春の彼岸頃の大潮の時期には、迫力のある大きな渦が見られることから季語とされたようです。

 次はとうとう挙句になります。花の句を長句で、仮名留めでお詠み下さい。

 なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は月・花以外は一語一会とします。

 挙句の締切りを9月13日の20時とします。揮ってご投句ください。
 残り1句になりました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
    十三仏行「爆心地」   2021.08.15起首

表  人の世の遺恨ふたつの爆心地     光明(秋)
    願ひの糸に結ぶ折り鶴       ゆき(秋)
   望月夜幼きパンダ健やかに      遊子(月)
    写真館にはおめかしをして    炬燵猫(雑)
   祭笛吹く横顔に惚れなほす      遥夢(夏恋)
裏   木下闇で熱く抱かれ        秋草(夏恋)
   嬉し泣きそつと搔き揚ぐ解れ髪    今日(恋)
    雪に鮮やか招き看板       しをん(冬雪)
   立飲みの小銭並べて月凍つる      芳(冬月)
    駐在さんがひよいと声掛け    メロン(雑)
   逆打ちの遍路賑はふ閏年       日和(春)
    観潮船は渦に順服         遊子(春)
挙句                     (花)

皆様の付句
のたりとあくび目覚め春波      縁糸(春)
*蕪村の句に「春の海終日のたりのたりかな」があります。その本歌取りですが、「のたり」「あくび」「目覚め」「春波」と、言葉が切れているのが残念。

休む脚絆に止まる初蝶        今日(春)
*前句を歩き遍路と読みとっての「休む脚絆」ですね。ここは遍路からいかに離れるかが課題とされるところ、駐在さんから引きずらないようにしたいですね。

笑ふ往来蟇穴を出づ         閑坐(春)
*「笑ふ往来」がよく分かりません。

沖合遥か霞む島影          遥夢(春)
*四国八十八カ所巡りの後半、瀬戸内側の遍路道からは「島影」が見えますが、そのことだけにしてしまうのは惜しいですね。

春の渚に拾ふ貝殻         しをん(春)
*「貝殻」は桜貝でしょうか、挙句を意識しての句とも読めます。

観潮船は渦に順服          遊子(春)
*この句をいただきました。

野辺径の土手戯れる蝶        ゆき(春)
*「野辺径」が辞書には無いですね。意味合いは火葬場に続く土手の道でしょうか。やや暗い感じがします。

潮干狩して大きお握り       炬燵猫(春)
*「潮干狩には大きお握り」とすればどうでしょう。

春の蜜柑はポケットの中       秋草(春)
*遍路への接待で頂いた蜜柑とも読め、うまく付いています。