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インターネット連句
10月8日
新形式「クレッシェンド」の説明をここでさせていただきます。
「クレッシェンド」は音楽用語の強弱標語のひとつで、意味は「次第に強く」です。「だんだん強く」とも言います。
歌仙形式の場合には36句の構成として「序破急」が用いられていますが、その内容として、『十七季』には「序は静かに穏やかに、破は手腕を発揮して面白く、急は軽々とおさめる」と記されています。
そこでこの「クレッシェンド」では、静かにスタートしますが、作句時に強弱を意識して、それを句意に反映させ徐々に、例えば句柄を大きくするとか、内容にダイナミズムを取り入れるとかして、歌仙のように軽々とおさめるのではなく、その手前で最強と感じる挙句を詠むことにしてもいいのではないかと思い、案じた形式です。
句数は14句としました。1連目が2句、2連目が3句、3連目が4句、5連目が5句の合計14句の形式です。
1花1月で、季は順候とし、恋は出るに任せ、必ず音楽に関わる句を1句詠むこととします。
さて、発句と脇句ですが、しをんさんの「カリヨンの駅前広場黄落す」を採りました。「カリヨン」で音楽も出ましたし、その取合せの「黄落」の色彩が目に浮かびます。それに付けたのが私の「時祷書に見る中世の秋」です。「カリヨン」をどう生かすか、考えた結果がヨーロッパ中世でした。実際は書物の世界なので時空を超えてみました。
他の9句についても、それぞれに脇句を付けさせていただきました。森羅万象さまざまな世界が詠み込まれたと思います。
それでは、続けて3句目を晩秋か三秋の月をお詠み下さい。
なお、基本的な式目は歌仙式に倣って進めることとします。仮名遣いはいつも通り、歴史的かな遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので、現代仮名遣いでも結構です。同字は一語一会とします。
次の3句目の締切りを10日の20時とします。揮ってご投句ください。
インターネット連句
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クレッシェンド「カリヨン」の巻 2021.10. 7起首
1 カリヨンの駅前広場黄落す しをん(秋)
2 時祷書に見る中世の秋 光明(秋)
3 (月)
4 (雑)
5 (冬)
6 (冬)
7 (雑)
8 (春)
9 (花)
10 (春)
11 (恋)
12 (恋)
13 (夏)
14 (夏)
皆様の発句
タクト振る姿に惚れた文化の日 縁糸(秋)
*明治も遠く街は肌寒 光明(秋
肩に置く月の重さや杖の道 今日(月)
*行脚の翁聞くは雁の音 光明(秋)
カリヨンの駅前広場黄落す しをん(秋)
*時祷書に見る中世の秋 光明(秋)
月見れば変身譚の狂気あり 閑坐(月)
*呪文掛けられ解けぬ地芝居 光明(秋)
稲刈の機音逸る夕間暮れ 遊子(秋)
*鎌の形に似たる弦月 光明(月)
高原に竜胆の青空の青 ゆき(秋)
*取り消されたる富士の初雪 光明(秋)
故郷へ向かふ列車や後の月 芳(月)
*旅のお供のごとき雁行 光明(秋)
初鴨の揺蕩ふ八羽加賀の池 日和(秋)
*千代女の句碑を照らす望月 光明(月)
干柿や縁側広く空高く 炬燵猫(秋)
*栗名月もやがて昇り来 光明(月)
其処此処に産土神の秋祭り メロン(秋)
*新酒の樽の山と積まれて 光明(秋)