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■②歌仙「足摺や」脇 治定
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②歌仙「足摺や」 2017.12.1 起首
足摺や師走一日(いっぴ)の空の色 雀羅
付
控えめに咲く垣の冬薔薇 鞠鈴
貝はまどろむ寒凪の下 柳下
猩々木の咲ける直路 紅鯨
冬青草にやわらかき靴 小石
○発句「足摺や」は、「足摺岬」で見る師走一日の空模様を眺めている句とも、足摺岬の空の色はどうであろうかと回想する場面とも、どちらでも読めるかと思います。
頂いた 脇の「冬薔薇」句は、あの辺りも歩いていれば「垣の冬薔薇」もあることでしょうという受け。今回の、土佐は中村の方から足摺を回り宇和島までの太平洋を左側に見ながらの歩きでは、垣の冬薔薇も何度もみた気がします。それよりも、冬のカンナ、冬薊、冬の苺(野いちご)など見たのは流石に「南国土佐」だなと感じました。
「貝はまどろむ」句、「貝」は春の季語ですが、「寒凪(冬凪)」で冬の脇です。「足摺」は「足摺岬」ということで「水辺」になりますが、「凪(の海)」ということで同じく水辺で受けています。脇にふたつ季語が入っていいのかということもありますが、この句の場合は違和感ありません。
「猩々木」はポインセチアのことで、これからの季節ですね。私は外国の人も入った連句で「飲むとポインセチアのようだ」と、句に詠まれたことありましたが、ほんとは「猩々(オランウータン)」のようだと言いたかったのかと思います。酒のトガなので仕方ありませんけど。この付け、その伝で、足摺への旅もお酒飲みながらだったのでしょうか・・と言われているようにも感じるのは私のヒガ目かも知れません(^^)
「冬青草」は「冬草」のことで、この季語は江戸時代の『俳諧栞草』には「枯たるをもいひ、枯残りたるをもいふべし」とあります。けなげに生き残っている冬草を堅い靴では踏まない、こんな命にも軟らかい気持ちで接するというのは、お大師さん(発句には「空海」が含まれまれています)の修行された足摺岬のご縁でしょうと、そのような受け取りかたを感じました。歩き遍路では実際は軟らかい靴ではなくトレッキングシューズです。
ここは、「貝はまどろむ」で頂きます。
足摺や師走一日(いっぴ)の空の色 雀羅
貝はまどろむ寒凪の下 柳下
●次は第三です。無季、そして座五を「て・に・にて」などで留めて下さい。発句・脇の世界と変化を付けて詠むというのが第三のポイントです。この場合、人物が入っていること、戸外ではなく室内といった特徴を出しますと変化が出せます。ではどうぞ。