一般社団法人日本連句協会
平成二十九年総会・全国連句大会の記

第三回一般社団法人日本連句協会総会・全国連句大会が平成二十九年三月十二日(日)に東京都の台東区民会館で開催された。一年中賑わいの続く浅草寺や開花間近な隅田公園に近い区民会館の会場に全国から九十九名の会員が出席。
総会は東條副会長の司会で始まり、先ず臼杵会長より概ね次の挨拶があった。

①百名近い出席者へのお礼

②二十八年度の行事は略予定通り終了し、財務の健全化が計られたが、会員減が課題

③この総会をもって会長を退き、新会長による新体制へ大いに期待する。

第一号議案に入り、和田理事長より平成二十八年度事業全般について報告、高尾副会長より決算報告。
三年ぶりで黒字化された主因は会費の値上げや遅延会費の入金・印刷費等の経費の削減や匿名での寄付があったこと等。
石川監事の監査報告の後に採決に入り、満場一致で承認された。次に第二号議案の二十九年度事業計画と予算案に移る。
理事長より。
連句の社会的存在意義を案内書やホームページ等で強調すると共に、国民文化祭はじめ地方大会への積極的参加を続けるとの方針説明。
予算面では現在の会員六七〇名をベースに収入計画を立て、広報関係等必要経費は積極的に支出する。
予算案についても満場一致で承認された。

続いて第三号議案の役員人事へ移る。
東日本大震災の年から六年間勤められた臼杵会長と和田理事長が退任され、青木会長、高尾理事長他の役員人事が満場一致で承認。
新会長から「人事が若返ったが、四十台の会員がおらず、二十年後の連句協会が心配。新潟や和歌山等連句会組織のない地方についても皆さんのご協力を頂きたい」と挨拶。総会の議題は終了し、講演会へ。
講師は聖心女子大学名誉教授の奥田勲氏で、「心敬の卓越性」について。
<心配り・青・「もなし」>の資料が配られ、心敬の百韻連歌での付け句の心配りを中心に、七十分の講演が行われた。

昼食には「深川めし」の弁当が配られ、二十席での熱の籠った実作会は三時半過ぎ迄続いた。その後、今年の国民文化祭「連句の祭典」が開催される奈良県や来年予定の大分県はじめ各地の出席者から様々な連句会開催への呼びかけが続き、第一部の予定案件は四時に終了。
第二部の懇親会は、区民会館の別会場に移り、近藤常任理事の司会で和やかに進められ、旧会長と新会長他の挨拶に続き、新任理事の方々からも抱負が述べられたが「二十年後は私達にお任せ下さい」との頼もしい挨拶もあった。
全ての予定は六時に終了し閉会。

(渡部春水記)