宗祇水奉納連句

連句フェスタ宗祇水実行委員会から「連句フェスタ宗祇水」の中止と奉納連句のご報告です。

毎年 郡上八幡で開催しておりましたイベント「連句フェスタ宗祇水」ですが、一昨年・去年に続き今年も新型コロナウィルス蔓延を懸念しての中止とさせていただきました。

「連句フェスタ宗祇水」は毎年8月20日の宗祇水神祭で奉納する歌仙をイベントで郡上以外からも人を招いて巻くというイベントですが、今年は郡上の連衆のみで巻かせていただきました。8月20日宗祇水神祭にて無事奉納しましたのでご報告と奉納連句をこのメールに添付させて頂きます。
毎年楽しみになさっておられる方々にご迷惑をおかけしました。

                連句フェスタ宗祇水実行委員会 
                           水野

白雲の巻  捌 古田憲治

    白雲を映す泉を汲みにけり  田中 義久
     炎天鎮め憩うふるさと  古田 憲治
    旧友の孫結婚の報ありて  丸山 直彦
     街角で聞く語り部の詩(うた)  水野 光哉
    月を背に影を追いつつ橋渡る  古池 五十鈴
     案山子は今も仕事中らし  渡邉 多美子
ウ   秋うららフォークダンスに駆り出され  海神 瑠珂
     老いも若きも励む厨房  天野 風
    まっすぐな視線眩しきカフェテラス  飯沼 麻奈美
     コロナ禍とてや弾む楽しさ  杉下 浩子
    換気とか休憩ばかりの式次第  横井 みゆき
     最後の締めはいつものラーメン  斎藤 佳成
    雪折れの竹林照らす月円か  多美子
     すくと立ちたる凍鶴数多  瑠珂
    面(かお)変わりでんでん太鼓の裏表  光哉
     まどろむ母の夢に遊ぶや  多美子
    木精の力ひこばえ花の咲く  直彦
     ゲゲゲと蛙(かわず)案内係  光哉
ナオ  山に入り一芯二葉の茶葉を摘む  上村 彩果
     スキップで行く縁側マルシェ  義久
    壊される為に映画のセット組み  光哉
     トムクルーズは歳を取らない  佳成
    戦地にも伸ぶひまわりの健気さよ  瑠珂
     鮎の友釣りやや淋しくて  佳成
    「氷点」の舞台を巡りひとり旅  みゆき
     手相読み解き女子高生沸く  彩果
    去りしひと慕いて辿る美濃の道  瑠珂
     行李より出づ古今和歌集  佐藤 好博
    みとせ越し切子の下の盆おどり  多美子
     見上げる月の袂うつくし  彩果
ナウ  風を読み名人芸の蜂屋柿  好博
     献上品は桐の箱入り  風
    インボイス小商人(こあきんど)泣く請求書  川上 朝史
     何故に懐かしまほろばの里  多美子
    花付けし慶隆ゆかりの老樹在り  日置 敏明
     新たな時代に朝寝から覚む  藤沢 百合

首尾  令和四年七月二十日
於 郡上八幡 町屋敷 越前屋