第6回五山送り火連句大会並びにみやこの陣・夏の陣
京都府連句協会では8月16日に五山送り火連句大会、続く17日にみやこの陣・夏の陣を実施しました。新型コロナ感染症対応のため4年ぶりの開催となりましたが、京都府内外より多くのお申込をいただき、16日実作会は10座50名(うち初心の座が2座)、17日みやこの陣は6座30名のご連衆と賑やかに作品を巻きあげました。参加者は、西は鹿児島、岡山から、東は東京、神奈川までの地域に広がり、また中学3年生から米寿まで70歳以上の年齢差という幅広い時空間にまたがる大会となりました。連句を愛する者たちが祖先の霊をお送りする日に古都に集い、この数年間に彼岸に渡られた先達を思いつつ、また久しぶりの再開を喜び合うという心豊かな会になりました。
五山送り火の16日は、台風7号が迷走の果てに関西を北に抜けたものの余波で大雨をもたらし、東海道・山陽新幹線が5時間以上遅延するというアクシデントに見舞われました。それにもかかわらず、九州から関東までの各地よりほとんど全ての参加者が艱難辛苦を乗り越えておいでいただきました。次々に到着されるお客様を実作の座や懇親会にお迎えした後、東一条と北野のビル屋上に分かれて観覧した大文字、妙法、舟形、左大文字、鳥居形の送り火は、台風一過の澄んだ闇の中でくっきりと目に染みるように見事に燃えました。おかげさまで思い出深い大会となり、京都府連句協会一同、心よりお礼を申し上げたいと存じます。概要は次のとおりです。
8/16 五山送り火連句大会@三木半旅館
第一部 開会挨拶 北原春屏 京都府連句協会会長
献演「庖勝一條流式庖丁 浪越之鯛」三木半総料理長 小笹庖貴氏
連句実作会 (半歌仙・二十韻・他) 10座(何仏・藤娘・釣鐘弁慶・座頭犬・鬼の念仏・瓢箪鯰・雷太鼓・鷹匠・槍持ち奴・外法大黒梯子剃り)
第二部 懇親の会「夏の会席」
主催者挨拶 河合臥雲 京都府連句協会幹事長
作品の披講 「座頭犬」の座(最初に満尾)
乾杯の音頭 西川菜帆 草門会 稲門「西北の風」
懇親会
中締め 廣瀬松石 五山送り火連句大会実行委員長
送り火観賞バスツアー
2台のマイクロバスに分乗し、東一条と北野のビル屋上スポットより観覧
8/17 みやこの陣夏の陣@三木半旅館
開会挨拶 岡本利英 京都府連句協会常任理事
ご来賓挨拶 林 転石 日本連句協会副会長
連句実作会 (歌仙)6座(東軍・西軍・南軍・北軍・海軍・空軍)
昼食の乾杯 鈴木千惠子 日本連句協会理事 猫蓑会会長
夢幻の劇上演「翁 近江堅田郷で十六夜の月を愛でる」京都府連句協会演劇部
中締め 北原春屏 京都府連句協会 会長
京都府連句協会は近年、新入会員増加に向けて各種イベントを企画・実施していますが、同時に各地の連句会との交流行事も大切にしてまいります。またご案内を差し上げますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。(文責:井尻荷葉)
夢幻の劇は謡と仕舞による直面の劇で、諸国遍歴の芭蕉が明智光秀の亡魂に会って、その胸の無念の物語を聞くという筋立である。
明智光秀 竹本 俊世
娘 たま 北村 美音
翁 廣瀬 松石
語り 冬日庵訥平
脚色演出 廣瀬 松石 岡本 利英
監修 北原 春屏 竹本 俊世